作画・演出の技術ともにコミカライズの漫画家としてはレベルが高いほうで、このようにアニメ版の劣化コピーを書かせるには惜しい人材だと思います。士郎正宗氏に新しいオリジナルの原作(あるいは原案)を提供してもらうとか、あるいはアニメ版のメインストーリー(笑い男編・個別の11人編・SSS編)を原案に独自解釈を盛り込んで漫画化するなど単純にアニメを一話ずつそっくりそのまま焼き直しをするのではなく、他にやり方はいくらでもあったように思えます。
また個人的には草薙少佐の表情があまり好きではありません。このマンガでの少佐は表情の変化が乏しく感情の起伏があまり感じられません。少佐はシニカルな一面もありますが、基本的には荒巻課長と同じく熱い気持ちがある女性だと思います。
余りにも余りにも良い出来だったので、読み終えた後に「ああ! もう一度この作品について一切知識の無い状態で読み直したい! そしてこの感動をもう一度!」と強く願った。 本当に、今まで読んできた本の中で一番『ワクワクした』 作品。 なお、巻末に収録されている《あとがきがわりに》は、高畑京一郎先生のデビュー作である《クリス・クロス》を読んでいないとちんぷんかんぷん(死語か?)だと思う。 こちらも名作なので、この作品に触れて、あるいはこのレビューを読んで少しでも興味の沸いた方は、ぜひ。ぜひ。
第一シリーズ13話「≠テロリスト」のコミカライズ。 廃墟となり無法地帯となっている海上プラントで、不可解な消息の絶ち方をしたエリート特殊部隊。そして16年前誘拐された時の姿のままで現れた少女・・・。
アニメではプラントを舞台にした激しい銃撃戦の印象が強かったが、今回ストーリーをたどると、かなり陰惨な話しであることに気付かされ、うけた印象が異なった。 コミックでもアニメと同様アクションシーンが多い一方で、”重い”陰惨な部分の掘り下げはあまりなく、不満が残った。アニメ版も同じような欠点は抱えていたのかもしれないが、動く絵のためごまかしが効いていたのかもしれない(または、アニメ版はそうした”重い”部分からは引いた、演出をしていたのかもしれないが)。
さて、本巻の巻末に”笑い男事件”の予告がされている。まさに待ちに待ったエピソードだけに楽しみ。
思わず買ってしまいましたが、
まんが部分は以前の1.5と全く同一なのでがっかり。
もうまんがを描く気は無いんでしょうか?
このライトノベルはすごい。よくあるタイムスリップモノでは、主人公が過去に戻ってというパターンが多いが、この作品は切り離された時の断片が少しずつパズルのように繋がっていく面白さがある。この作者の構成の妙と斬新なアイデアに拍手を送りたい。上下巻ながらスラスラ読めるので長さは全く感じない。ライトノベルだからと敬遠している方にも、そしてミステリー好きのご年配の方にも手にとっていただきたい良作。
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