P.カッシング、C.リーに加えT.サヴァラスの豪華共演に、前半の猿人との攻防、後半は敵が古代に宇宙からきた生物の仕業と判明する過程と対決と内容もサービス満載、更には電車内という閉じた空間の中でのサスペンスとそれを盛り上げるノルトラジックで哀愁ある音楽とこの種の作品としては見所が多く、理詰めで考えてみると少し変で強引な理屈はどうでもいいと思うくらい楽しめる作品です。ハマーフィルム風のクラシックなホラーが好みの方、P.カッシングを目的とされる方には特にお勧めです。
結論から言うと、「観れてヨカッタ!」という事になろう。『シベ超』ノリの映画だと最初から覚悟して観る分には、中々の傑作である。 リーとカッシングが「いいもん」で競演、豪華列車に蠢く謎のモンスター、不安定な世界情勢を時代背景にコサックの襲撃という小技の利いた第三勢力の介入、そして、疾走する列車内でのゾンビ軍団との決戦と、本作のエッセンスのみを抜き出すと、実に魅力的である。
だが、過ぎたるはなお及ばざるが如し。詰め込みすぎに加えて、あまりに非常識な科学的ギミック、それならそれで筋を通せ!と言いたくなる投げっぱなしな展開。さらに全編に流れる、なんだか70年代っぽいサスペンス調の、情感たっぷりの物悲しさが漂うテーマ曲がはずしてくれていて、妙な味わい深さを醸し出している。 一方で、顔中の穴という穴から鮮血を噴出して、白目剥いて死ぬ犠牲者のアップが延々続いたりして、ゴア描写もテンコ盛り。
特筆すべきは、テリー・サバラス。コジャック警部ならぬコサック隊長をロシアン傾き者(かぶきもの)として好演しているが、ほぼ脈絡のない無理矢理な登場の末、いきなり悪魔主義者に転向したロシア正教の牧師と、隠し持っていた九尾ムチで親方プレイを始めるのは傾き過ぎかもしれない。 先ごろ亡くなられた、石井輝男監督のファンなら見ておいて損は無いと思う。
ゾンビ化したコサックが、シベリア横断鉄道車内で大暴れするシーンが クライマックスとなる本作。
「物体X」と「オリエント急行」をミックスしたストーリー自体が信じ難いのに 変に細部が凝ってあったりして、おまけにテリー・サバラスまでゾンビになるという、 これはもう果てしなく笑えるケッ作であります。
冗談のわかるクラシック・ファンに大推薦!。
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