特集のメインが機密主義で徹底されているピンク・フロイドなので、あまり多くは語れない筈だと思ってました。実際には、相当量のボリュームを割いているのですが、以前のThe Beatles同様、音源を入手できていないので、コレクターが本当に求めている音の差という点については、あまり言及されてなくパッケージの差異だけの説明になってしまったのが残念です。他のライターの記事は、編集部の意図としては重要だったかもしれませんが、私からすればページ数を埋めただけの帳尻合わせに見えます。 そんな中、石坂さん(現:ユニバーサル相談役)の談話記事は、よかったと思います。当事者の意見程、説得力のあるものはないですし、コレクターとしては、パッケージの価値を別の視点から探る事ができます。この人のピンク・フロイドに関する談話はもっとある筈なのですが、かなり割愛された形で、たったの2ページに終わってしまったのが残念です。本来であれば、その倍はページ数を割いて、他のライターを削っても掲載すべきかと思いました。この辺り、石坂さんが当時どれだけ身を削ってピンク・フロイドに心血そそいでいたかは、昔のMARQUEE誌(1992年)の方が詳しく、天地真理を破ってオリコンチャートでトップになった話など、掲載されてくれると、パッケージが新たにパッケージングされて出てくるだけの意義というのは知る事ができると思います。 FTBの特集は急場しのぎに思えます。再結成の時のMM誌でもそうですが、もっと突っ込んだ話を展開して欲しかったです。本来、FTBに関してはリリーストピックも何もなく、入手困難になりつつパッケージが多いので、先のピンク・フロイドの特集とのバランスでジョー山中追悼という点において、整理されて然るべきかと思います。 全体の構成が10年くらい前の感じになりましたが、それはそれで良いと思います。 配信云々を否定する以前に配信に因らなくても音楽が売れるという事を今回のピンク・フロイドのリリースは証明された事から、音楽のパッケージの再興の為に新編集長による新機軸で音楽市場をもり上げてもらいたいと考えます。
結成40周年のセンチ念願の、「ポリドール」、「キティミュージック」、「日本コロムビア」時代のアルバム待望のCD化です。さすがはセンチどのアルバムも全くスキがありません。抜群のウエストコーストサウンドを聴かせてくれます。
'70~80年代のアメリカンロック(あまり好きな言い方ではありませんが、いわゆるウエストコーストサウンド)が好きな人にとっては最高のバンドがセンチです。EAGLES,DOOBIES,John Hall,James Taylor,POCO,CSN&Y,BEACH BOYSといったファンにはこたえられないサウンドでしょう。私も30年来のセンチファンですが、彼らの衰えることの無いパワフルな演奏は30年という年月を感じさせません。 このライブDVDは選曲・内容ともにベストでしょう。なかなかライブでも聴くことのできない「ひたすら」も収録されています。元アメリカンロック少年は必聴です。
生きてりゃ、いいことあるもんだ!首を長〜くして待ち続けていた、センチメンタルシティロマンスの79年発売のライブ盤がようやく再リリースされた。少なくとも、10年前の30周年の時も再発売はなかったと記憶していますが、とにかくついに!ようやく!と言う感じで飛び上がりました。79年発売当時のLPを紛失してかれこれ30年。30数年ぶりに聞いた曲は、今もどの曲も色あせてなくて、改めて彼らの実力と質の高さを再認識できました。ライブでこのクオリティの高さを発揮しているのは、凄いです。好みの問題もあるでしょうけど、同じ曲でも私なんかは、他のスタジオ録音バージョンよりも、このライブ盤のほうが、音が暖かくて、包み込むような包容力と迫力があって、断然好みですし、まだこのライブ盤を聞いていない方には是非おすすめします(とくに「あの娘の窓灯り」なんかは、本当に窓灯りが見えてきそうで、グッときますね!)。久しぶりに、こころのなかを日本語のウエストコーストの風が爽やかに吹いていきました。再発ありがとう!
雑。 この一言につきる。 雑多にメリハリ無く記事がある。読みにくい。写真が掲載されていても、誰の写真なのか知ってる人しか理解できない。まず、雑誌が編集者の意図したとおり読者が読まれるとは限らないので、その点について初歩的な過ちを侵してしまっている。これが残念な事。とにかく判っている人間以外には判りにくい紙面構成になってしまっているのが残念。震災以後、財政的な面で、ライターや編集者の力が及び切れない部分があるのかもしれないが、そこはやっぱり丁寧な誌面作りをお願いしたい。それなりの価格に見合うように。
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