テレビのドラマの現実を知ることはやはり興味深い。出生から、貧困、家族の葛藤、それも時代を反映している。いかにその瞬間、瞬間に前向きに努力してきたかがよくわかる。また、主人公の父親が娘の為を考えてレールをひいてきたか、テレビでも描かれていたが、事実はもっと真剣だったみたいである。才能はもちろんだが、父親との生活で、和服の基礎から、日本の伝統芸能にも深く触れていたに違いない。戦後の洋服を造る中で、いかに仕事を通して幼いころからの体にしみ込んだ体験と、自然と耳から聞く、また空気に触れた体験が力になっているかがよくわかる。
ドラマを見ていて面白くて、どうしても原作はどうなんだろうと興味を持ちました。
読んでみてビックリ。すごい、このエピソード、ほとんどそのまんま。 もちろん、朝ドラにするにあたっての、変更があるにはありますが、 忠実に再現されているといってもいいかと思います。
原作のほうが、壮絶ですが、 親子が信頼しあうということの真の姿、 人を愛しぬいた最後の最後の情、など、 現代では稀薄になってしまった、人間の生き方や関わり方へ、 強烈なパンチとケリを入れてくれる指南書としてみるのも一興かと思います。
岸和田という大阪南部の街で光り輝いた一人の才能ある女性の物語です。 NHK連続テレビ小説「カーネーション」のストーリーとほぼ重なります。 小篠さんの現実の人生そのものが、ただのフィクションよりも遥かに ドラマティックであったことがわかります。 小篠さんのあとがきに聖書の言葉が引用されています。 現実に翻弄されながらも「ひと」として生き抜いた小篠さんが 行き着いた心境を表現されたかったのだと思います。 国家や企業の時代から「ひと」の時代に変化していこうとする今、 小篠さんの歩んだ人生から貴重な「宝物」が見つかるかもしれません。 ご一読をお勧めします。
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