最近 音楽は、演奏の様子をみたいので、必ずDVDで試聴するようにしているが、案の定、映像で観るカラスはCDで聴くカラスとは全く別人だ。歌もさることながら演技力が凄い。それが特にトスカの第2幕で楽しめる。とにかく想像を絶する、気品あふれる演技である。 このDVDでは休憩時間にパリのオペラ座の紹介もしているが、華やかなロビーの雰囲気も出ていてとても楽しい秀逸なDVDだ。価格はかなり高かったが入手出来て幸せに感じる貴重な1枚である。
カラス没30年を記念して作られたCDだがとにかく安い。 しかも蝶々夫人・トスカなどメジャーなものから少しマイナーだがカラスの当たり役(夢遊病の女・ノルマ)などもたっぷり収録してある。 オペラ・ファンなら買ってけして損はしない代物だ。
伝説のマリア・カラス。その映像を2008年にして初めて観た。確かに美しい。そのカラスのラストコンサートは何と札幌であったという。それはおよそ往年の輝きを失った老いたる声だったということだ(『巨匠たちのラストコンサート』中川右介)。
ところで、このCD音源のほう、ここ数年に何度も発売されたものの再編集ベスト盤であろう。そのことは問わない。ここではその歌唱力を問う。 たとえば、「ある晴れた日に」や「ハバネラ」、ことに「私のお父さん」など、ソプラノ歌手としてもベストの歌唱とは言えないし、評者などしきりに美空ひばりで聴きたかったと思ったものだ。☆3つはオオマケである。録音もいまひとつなのかもしれないが・・・。
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