地元の図書館で借りてきました。 筒井康隆氏も書かれていると思ったら書かれてなくて新井素子女史が執筆されております。彼女以外の執筆者を忘れてしまいました。
いよいよ最大のミッションは、思わぬ事に。
はらはらどきどきひたすら燃える展開の中にも、
宇宙開発の本質を博士のセリフでさりげなく表現するなど、
なかなか感心させられます。
今回だけではないですが、WOWOW放送時のものと比べると
かなりの部分で絵の修正が入っているようで、完成度は上がっています。
オマケとしてむっちり先生のかわいいポストカード付き。
また3分ほどのパイロット版も収録されていますが、
これがかなり違う絵なので興味深いと思います。
良質のハードSFです。表題作の「沈黙のフライバイ」はファースト
コンタクトものなのですが、人類から選ばれたヒーロー(達)が攻め
て来る宇宙人と戦ったりはしません。有能ではあってもただの技術
者が対応することになります。無駄に血圧を上げる物語でないとこ
ろが、著者らしい気がします。
ところで、最後の部分で映画「未知との遭遇」のシャンデリア宇宙
船を思い出しました。「きれいだけど、リアルじゃない」と思った
物ですが、本作で出て来るのはよりリアルで、異なる美しさをもっ
た何かです。お楽しみを。
ある意味、ハヤカワJAで出たのが勿体ない。そんな感じですね。 作品の流れとしてはふわふわの泉やロケットガールに近い。硬派なゴリゴリのハードSFを期待すると肩透かしになる恐れがあります。 逆にニコ動の尻P、それもパンツを飛ばしてみた辺りからのイメージの人には予想以上のハードSFテイストがキツいかも知れないですね。そういう意味では読み手を選びそうな気がします。 でも、流石にネットの最前線で才能の無駄遣いをやってる先生ですから、ハードSFとして近未来の予測としては実に興味深いです。この視点で描けるのはたいしたものだと思います。
ネット上のノリで思わぬ方向にプロジェクトが当人達の思惑まで越えて予想の斜め上に加速度を増して動いていく。 真面目に稟議書を書いてプレゼンしても通らなかった企画が、ネットのアイコンやアイドルを駆使したとたんに実現してしまう。 有機的にリンクした、GPLライセンスに則った工場群の稼働が指し示す方向性。(既にfab labとして現実に動きだしてます)。 どれも今までに例のない予測が多く、それ故に21世紀のセンスオブワンダーとはこう言うことかも知れないとまで思わせるものです。
自分には粗製乱造のラノベ(失礼)ではなくて正しいSFとして楽しんで読むことが出来ました。
解説を寄稿された川上氏の自己主張と自己弁護に溢れた文面もネタとして面白いですな(・∀・)ニヤニヤ
1巻のレビューでも書きましたが、宇宙や関連した技術の知識が無くても楽しめます。
宇宙ステージョンや新型の宇宙服等、素人考えでもこれは無理だろ…
という突拍子もない技術の登場もありません!
それもあってか、読んでるうちに自分も宇宙へ行けるのではないかと思ってしまう不思議。
まぁ、現実はそんな簡単ではないのですが、夢を見れると思うので、ぜひ!
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