私は短編集「残暑」の中では「パパの歌」が最も好きなのですが、
本作もそんな軽妙なノリで笑いどころも多く、楽しく読めました。
否応なく巨大な話に巻き込まれて話が展開する先生の代表作とは
対照的な、主人公の意志と変革の努力で漸進していく印象です。
1巻は案外多い登場人物たちの描写や主人公の職場などの設定で地固め
の段階。 やや盛り上がりに欠けますが、セリフは多めで楽しいです。
伏線の”自転車嫌い&彼女作らないの原因”が明らかになってくれば、
主人公や物語は束縛を振り切って加速し始めるような期待感は十分です。
主人公の友人たちやヒロインの両親などは非常に愛嬌があり、
これも本作を読んでいて気分が良い要因だと思いました。
各話のサブタイトルも愉快。 カバー下には自転車の設定画も。
「のりりん」に分かりやすく影響を受けまして、自転車始めました。
のんびりした雰囲気に、スピード感のある自転車が加わって、うまくまとまってると思いました。
さすが鬼頭さん。
待たされた割にこんなもんかって思った。自転車好きじゃないと結構厳しい内容構成。 自転車好きだからギリギリ楽しめたけど、ただの絵描きのファンじゃ厳しいかも。 ママチャリとかどうでもいいからそんなのに数ページも割かないでほしかった。他にも自転車好きの人は山ほどいるでしょ。 何で自転車的にも絵的にも素人みたいなの引っ張ってくるのかな。橋本だの米山だの本当勘弁してくれ。 これなら人数半分減らして本当に自転車好きで絵の上手い人のページを倍にしてほしかった。 あとデフォルメ的な絵柄が売りなのは分かるけど、自転車と人の縮尺ぐらい考えてくれよって人も。
前作もプレイ、2周クリアした者です。
システム面においては前作の不満や要望をかなり取り入れており、快適です。
最大の要望であった「悪魔全書」(自分が作り育てた悪魔を登録する事で、
合体によりいなくなった悪魔をお金を払って召還出来るシステム)が搭載された
のは非常に大きいですね。
近年のメガテンシリーズでは標準搭載となっているシステムなので、当然と
言えば当然なんですが…。
あと、悪魔合体時に継承出来るスキルが、従来はランダムだった為、合体予想を
見ては気に入る組み合わせが出るまで、合体→キャンセルのコマンドを繰り返さねば
ならず面倒(Mな人にとっては、それも楽しみなのかもしれませんがwww)だったのですが、
今作では自分でカスタマイズ出来る様になりました!!
これも、地味ながら非常に嬉しい改善点です。
その他、ペルソナシリーズの「コミュ」システムの簡易バージョン「縁」システムの導入
など、前作以上の楽しさが詰まってます。
ただし…ストーリーは、前作の方が全然良かったと思います。
大まかには「サバイバー」のタイトル通り、大災厄直前の1週間を生き延びる…という
点で前作と同じラインを辿っているのですが、今作ではいきなり「ジプス」という
退魔組織の協力者となり、そこを拠点として活動するという展開の為、緊迫感や絶望感と
いったものが、希薄な気がします。
「お使い」とまでは言わないけど、各人物の実家も崩壊して帰る場所を失ってしまう為、
ジプスの言いなりになる事で話が進むというのも、何だかなァ…て感じ。
前作では「何だか分かんないけど、とりあえず首都圏脱出」っていう明確かつ能動的な
目的が当初からあった(主人公の選択で、終盤変化するが)ので、そちらの方が「サバイバル」な
感じもあって良かったですね。
また、前作は東京の山手線圏内という限定された地域内での出来事(最終的には世界規模に
拡大するのだが)だったのが、今回はスケールアップして「世界中で同時に都市破壊発生」
という展開の為、逆に空々しくなってしまったと感じました。
都市の被害レベルはそれぞれ差があると言えど、無人になってしまっている地域もあり、
前作の「突然の理不尽な状況による、民衆のモラルの崩壊」に対する描写が、これまた弱い
(一応、暴徒とかは出てきて殺害されるキャラもいるんだけど唐突に感じる)。
過去の「真・女神転生」などでも「失われてゆく日常や常識」を描く手法はプレイヤーを
引き込む手法として秀逸だったのですが、今作はその辺がちょっと苦しいですね…。
あと、主人公が他の地域の悪魔使いと出会い、選択次第では仲間になるんですが、失敗した場合は
その相手が死亡します。
ここに行き着くまでの過程があまりにも短く、出会った→二言三言会話した→再会時にいきなり
仲間になるか死亡という、非常に感情移入しづらい作りになっています。
もうちょっとうまく絡める事は出来なかったんでしょうか。
以上の様に、ストーリー面でのアラは目立ちます(ただし、すごく稚拙な内容とまではいかない)が、
「悪魔を育成・合体させて楽しむタクティカルRPG」としてはかなり良い出来です。
単純に強い仲魔を作ってゴリ押し…なんてのは通用せず、自分なりに考えた悪魔作成・編成で
戦わなくてはならない事が多いです(終盤は万能っぽい悪魔も出てきちゃうけど)。
システム上であえて不服を言うとすれば、スキル装着時にあまりにもその数が多すぎて、一覧が
見づらい事ぐらいでしょうか。
DSの画面は小さいから仕方ないのかもしれませんけど、スキルの性質毎にカテゴライズしてフォルダ化…
なんて工夫があったら良かったかも。
いずれにしても、メガテン好きなら買って損はないと思いますよ。
この漫画は何の予備知識も持たないまま読み始めるというのがベストだと思います
子供がロボットに乗って正体不名の敵から地球を守る。
なんて聞いただけで「はいはいありがち」と言いたくなりますよね。
初めは戦いを通して子供たちが成長していくよーみたいな感じに見えますが
1巻の終盤辺りにとんでもない展開が用意されています。
「あれ?何かがおかしい」強烈な違和感とともに真の物語が始まります
やはり作者が作者なだけに普通の漫画ではありません(笑)
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