音楽院を舞台に、落ちこぼれ学生と
美少女の
魔女、修道女、悪魔っ娘が織りなす、
魔法アクション炸裂のラブコメ――と書くと、
「よくあるラノベ」くらいにしか思われないでしょうが、
音楽とか歴史のネタが豊富で読みごたえがありました。
ハーレム路線に見えるのに、
そうならないのが良かったです。
パガニーニという名のヴァイオリニストと
タッグを組んで戦うアクションが新鮮だし、
個人的には零と祐里奈の血の繋がらない
兄妹愛が切なかったです。
帯と著者のあとがきを見ないと、気付かないのですが、
実はイラストを担当しているのが
アニメ製作会社のディオメディア。
アニメにならないかなぁ。。。
リストやシューマンを狂気にさせた鬼人パガニーニが、アッカルドの10本の指に宿り21世紀に復活した。パガニーニの再来と呼ばれるアッカルドが弓をモーセの枝のように握り、パガニーニの伴侶でもあった名器カノンを魔法のように奏でる。アッカルドが譜面に囚われず、思う存分自由に描いたパガニーニの音符が、私達に牙を向き出し恐ろしい程に襲いかかって来る。グァルネリを右でも左でも奏でていますが、きっと左指の映像はアッカルド自身なのでしょう。晩年のパガニーニは声が出ないほどの病に犯されていました。一人息子アキレは、父の微かな唇の動きを読み、周囲の人達に言葉を伝えたそうです。それでもパガニーニは、母親のいないアキレに遺産を残すため弾き続けます。現代のヴァイオリン奏法の殆どは、パガニーニが音楽を愛する人達の為に残した偉大なる遺産です。
伝記がないので、こちらを購入。一部を除いて、全編に渡りパガニーニの曲は流れている。前半はまあまあの出来かなくらいの印象で、冒頭のナレーション、セリフ(野次含む)でのパガニーニの無責任、ロリコン、自己中心的な性格にしばし呆然。
後半からは、流れる曲のテンポ、迫力が増す。サルヴァトーレ・アッカルド。要チェック。
普通の人物ではないのでか、描き方も独特。ヴァイオリンと息子にしか、愛と情熱をそそげない彼。24のカプリースしか、知らないが、ヴァイオリニストが難曲中の難曲とまでいう、作品を生み出した男の生涯を、アッサリとした感覚で描く。
作品に個人的に感動を持っていればこその、評価だと自分でも思うが、善悪を超えて、こんな男もありだろうと思う。才能があるだけマシ。どうせドラマの様な人生は無いのだから、泥水をすする思いをしていると、こんな要注意人物でも有りだと思う。
評価が分かれる作品だろうが、俺は好きだね。こんな生き方でも、所詮、人生なんて、生きようが、死のうが、旅の中での出来事なのだから。晴れる時もあれば、雨の時もある。こんな変り種の生き様を選ぶのか、こんな生き方しか出来ないのか?
一人の生き様として、大いに俺は、一度は見ることを薦めたい。
ボウイングがすごい!!強めに張った弓で一弓連続スタッカートを見事に決めるところ、重音の難所をさらりと弾きこなすところなど見所満載。星ひとつ減は、カメラワークのうざったさへ。きちんとテクニックを見たいという人にはカメラ動きすぎ。個人的には、デビュー当時のパールマンのカプリスの映像も見てみたい。