現代の日本にとても似ている。 この本を目にして、そんな感慨を抱かれる方もおられるのではなかろうか。 たぶんそれは若干の間違いを孕んでいる。すなわち、消費社会の性向を表現しているのが 例えば今のこの国であり、例えば当時のアメリカなのであって、無論、ビジネスの方式を 借用している部分があろうことは想像に難くはないが、前者が後者に似ているわけではない。 双方ともに、消費社会の類型をなぞっているだけのこと。 そんな消費社会への洞察に貫かれているのがこの一冊。
第1次世界大戦を経て、空前の好景気を迎えた1920年代のアメリカ、そして、バブルを バブルとも知らぬまま、投資に次ぐ投資の狂想曲は1929年ついにブラックサースデーを迎え、 しかし、それが夢物語のひとまずの終焉、世界恐慌のはじまりだとはまだ誰も信じない。 政治においては、スキャンダルの嵐の最中、今日なお諸説飛び交う謎の急死を遂げた、 第29代合衆国大統領ウォーレン・ハーディングのいた時代。 文化においては、戦争に打ちひしがれたロスト・ジェネレーションが台頭し、風俗の紊乱が 叫ばれた時代であった。 そんな濃密な10年間を辿る。
「まだほんの昨日のことなのだけれども」というこの表題はどこか感傷的で、淡い夢心地を 想起させ、まことにもって秀逸。この本の驚くべき点のひとつは、さほどのタイムラグも ない時代を振り返ってのものであるにも関わらず、アレンが冷徹な筆裁きをもってこの当時の アメリカをクリアに記述してみせていること。 これは決して一介の歴史書、時評ではない。消費社会への直観がこの一冊には溢れている。
DVDの内容がいまいちインパクトに欠けるのでこの評価となりました。
最初読み始めたとき、登場人物の奇抜さにそりゃないでしょと苦笑いの連続でしたが、読み進めていくうちに変人たちに免疫ができ、面白くどんどん読めました。そして最後にいつのまにか成長していた変人だったはずの主人公のかっこよさに驚き憧れてしまいました。
特に状態に問題なく、満足です。対応もスピーディで助かりました。
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