もう70歳を超えるジェリー・ゴールドスミスの音楽はさすがに色あせない。独特のパーカッションを生かした曲調は映画のサスペンスを最高潮に盛り上げてくれる相変わらずのパワーは健在だ。2002年には日本でこれまでの担当した作品を集めたコンサートをするが、ぜひCD化してほしい。
「ジャック・ライアン」シリーズ最新作は、若かりし頃のジャックという事で
ハリソン・フォードではなくベン・アフレック主演。
ハリソンのファンなので、個人的にはそう期待していなかったのですが、息をもつかせぬ展開で、冷戦時代の雰囲気と「核」の恐怖がリアルに表現されていて、予想以上に楽しめました。
ジャックって昔っから世界の危機に直面してたのね…。
ある日、ひょんなことからトム・クランシーに出会いました。もともとショーン・コネリーのファンだった私は「レッドオクトーバーを追え」の映画ポスターを見て、映画見る前に原作を読んでみようと思い・・・それ以来完全にはまってしまいました。
この本は俗に言う「ジャック・ライアン・シリーズ」といわれるもので、最初はCIA分析官だった人が、しまいには合衆国大統領になってしまうという壮大なシリーズ(んなことあるわけないよと思うでしょうが、その就任の仕方はドラマティック)。
なかでもこの作品は核テロリズムと中東和平の問題を取り扱っている重厚な読み応えのある小説です。テロリストが原爆を作る場面と中東和平条約調印という場面を交互に同時進行させて緊迫感を演出しつつ、その詳細で緻密な原爆製作過程の描写は圧巻です。また、原爆が爆発する瞬間の1秒間のプロセスを描いた「スリーシェイク」章は、あたかも装置の中を自分が電流になって爆発過程をたどっている錯覚に落ちいるほどです。
ただ単に「テクノスリラー」とだけででは片付けられない偉大な作家です。
ほかに、「日米開戦」「合衆国崩壊」「大戦勃発」もお勧めです。