ずっと「月着陸がウソだった」という内容の映画だと思いこんでいたが,今回観てみると,
火星着陸の話だった。でも,きっと「アポロ計画」をからかうために作ったのだと思います。当時この映画のアイデアを知ったときには驚いたが,最近テレビで「アポロ11号の映像は作り物だった」という番組をやっていて,たぶんあれはこの映画の制作当時からささやかれていた噂だったんだろうなと思った。ホントは月の「アポロ」の話にしたかったんだけど,NASAに叱られないように
火星の「キャプリコーン」にしたんでしょうね,きっと。
アポロ11号の月面着陸はウソだった?今でもたまに話題になるアメリカ政府の陰謀説ですが、本作はそれを下敷きにして製作されています。こちらは月面ではなく
火星ですけどね。監督のピーター・ハイアムズは、
ベトナム戦地でのテレビ取材の際、国家権力によって真実が捻じ曲げられる事実を目の当たりにし、本作の企画を思いついたそうです。
政府の芝居に付き合わされる三人の宇宙飛行士。ことが済めば無事に帰れるはずだったが、アクシンデントにより無人の宇宙船が消滅、この世に存在してはならない存在になった三人は、政府から命を狙われることに…と、ここから映画はアクション活劇に変貌します。語り草になっている中盤のカーチェイス(ブレーキがきかなくなるように細工される!)と、終盤のスカイチェイスは、今見ても全く色褪せない迫力満点の映像に仕上がっています。前者はカメラを車のバンパーの下に据えて、後者はカメラマンを宙づりにして撮影されたらしいです(!)。宇宙飛行士たちを追う、無機質な2機のヘリコプターの恐ろしさにも注目です。
大胆な着想のもと、娯楽作品としても一級品な本作。古い作品ですが、まだ未見の方は是非!
幼少から映画館で見てきた映画のパンフレットは今も必ず購入しますが、この映画は同時上映(懐かしい)だったので買いませんでした(「当時で小学3年生)。しかし大人になって改めてみたときの面白さから、長年パンフレットがほしいと思っていたのでうれしいです。早くこの映画がブルーレイになることを希望します。
TVドラマ「スター・トレック/ヴォイジャー」のシーズン4〜7(1997〜2001)に登場し、そのセクシーなSFコスチュームと個性的なキャラで人気を得たセブン・オブ・
ナイン(演じたのはジェリ・ライアン)のファンです。ジェリー・ゴールドスミスのサントラは
「エイリアン」('79)や「ランボー怒りの脱出」('85)などを持っています。
セブンの事を考えながら聴けるCDはないかと探してみたのですが、「ヴォイジャー」単独サントラは第1話(セブンはまだ出ていない)のものだけだし、メインテーマ以外はジェリーの作曲ではない。本編用BGMは他の作曲家による各話書き下ろしでCD化には向いていない。「スター・トレック」シリーズ全体のコンピレーションベスト盤はいくつか出ていますが、「ヴォイジャー」セブン編以外にさほど興味はなく、できればジェリーの音楽だけを聴きたかった訳です。
その条件に当てはまるのがこの
FRONTIERS〈フロンティアーズ〉というCDでした。ジェリー自身の選曲・指揮による再演奏アルバムで、1997年の録音なのでおそらくセブンの登場に刺激されて企画したんだと思います。ジェリーの既成曲を使ったセブンのイメージアルバムとして捉えると、やや意味不明な選曲の意図も見えてくる。有名な「猿の惑星」が入ってないのに「2300年」から2曲も選ばれていたり、少なくともベスト盤の構成ではない。音楽で1時間SFドラマの雰囲気を再現しているようだ。
この事は試聴して初めて気付いたのですが、実際にCDを通して聴いてみて確信しました。これは“交響詩セブン・オブ・
ナイン”で、セブンに対する公開ラブレターなんだと。「ヴォイジャー」のすぐ後に「エイリアン」を配置する辺り、セブンはリプリーに匹敵するSFヒロインだというメッセージに思えます。素晴らしい作品をジェリーは遺してくれました。傑作アルバムです☆