ゲーム内や説明書では語られないバックストーリーや登場人物の相関図、大陸とアレンダル島の歴史などまで載っていて、とても興味深かったです。全登場人物のプロフィールや死にセリフもすべて紹介されているので、ゲームをより深く堪能できます。
ただ、肝心のゲームの攻略に関しては上級コンボの紹介がメインになっていて、コンボよりもクリア優先という方にはあまり役に立たないかもしれません。トラップの種類に関しても一覧表ですべてが網羅されてはいるのですが、ちょっと不親切に感じました。
続編とはいえ全くストーリーに関連はない。今作は、主人公がどちらかといえば「正義」という立場に立って敵を倒していくので、前回の「善人だろうが、女子供だろうが、無表情で殺戮していく」という主人公からするとちょっとインパクトが弱い、かな。
私は前作が好きだった(いまだに時々引っ張り出して遊ぶ)。
もっとも、後発なのでトラップは格段に進歩している。しかし、「トラップは2000種類を超え・・・」というのはかなり嘘。要するに各トラップに威力のレベルが4つほどあり、レベルが変わると同じトラップでも別、と数えると確かに多いが、実際にはそれほど多いわけではない。
エキスパートモード(ストーリーが無く、1つのステージを与えられた条件でクリアしていくモード)はいいと思うが、ちょっと条件が厳しくて私は挫折してしまった。
主人公が残念ながらやられた時の「死に台詞」も何種類かあって、なかなか楽しい。やられるのは悔しいが。
敵がワープしていきなり背後に来るのは不条理だが、緊張感があっていいかも。
まず始めに、星3つという評価をつけさせていただきましたが
内訳としては ゲームの内容そのものは星5つ、システム面は星1つ
差し引き星3つ というのが正直なところです(追記により星4へ変更)。
まずゲームの内容そのものについて
真剣に襲い掛かってくる敵に対して“トラップのみ”を使って敵を倒すという、他には無い斬新なジャンルで
いたずら心をくすぐってくれる、とても面白いゲームでした。
このゲームは正直、敵を倒すだけならそれほど難しいゲームでは無いのですが
特殊な条件で相手を倒したりトラップを組み合わせることで達成される、メディウムのお願いやアーマーブレイク、ウィザードギアフィニッシュといった要素が良いアクセントになっており
それらを達成するために、トラップを組み合わせて試行錯誤を重ねるのはいくらやっていても飽きません。
しかし。
冒頭にも書いた通り、それらの良さを台無しにしているのがゲームシステムです。
まず何より問題なのが、セーブポイントの少なさ。
このゲームのストーリーモードは、一番大きなくくりとして「チャプター」というものがあり
1つのチャプターにつき、(正式な呼称ではないですが)3つのステージによって構成されています。
1つのステージでは、概ね6人前後の敵が 最大3人を限度に入れ替わり立ち代わり現れ
チャプターの最後(3ステージ目の6人目)に、そのチャプターのボスが出てくる…といった構成です。
前述の通り、敵を倒すだけであれば1ステージあたり30分もあればクリアできるかと思うのですが
メディウムのお願いをかなえたり、アーマーブレイクを狙おうとすると それなりに時間がかかるものです。
何度もリトライを繰り返し、1ステージに1時間をかけることも珍しくありません。
そういった条件のうえで セーブポイントがどのタイミングで訪れるかというと
チャプター終了時“のみ”です。ステージの切れ目でセーブをすることができません。
何のための3ステージ構成なのでしょうか。説明書に記載されている「1時間に15分の休憩を」というメッセージがケンカを売っているようにすら思えます。
基本的に、ボスはチャプターの最後で出てきます。当然、通常の敵よりも強く、特殊な能力を持っている敵もいます。
それ自体は、決して悪いことではないと思います。強い敵をどうやって倒そうかと試行錯誤をするのもゲームの醍醐味の1つだと私は思います。
しかし、せっかくのボス戦に突入する頃には毎回長時間のプレイで疲れ切ってしまい、正直楽しんでいる余裕はありません。
かと言ってボスが強くて倒すことが出来ず、いったん休憩をしようと
電源を切ってしまうと
そのチャプターで出てきた敵を全て1から倒し直しです。何時間もかけてせっかくクリアしたメディウムのお願いもアーマーブレイクも全部やり直しです。
ボス戦は毎回「何でもいいから、とにかくセーブをするためにさっさとボスを倒してしまわないと」
という状態で、はっきり言って苦痛でしかありませんでした。
また、もう1つ残念だった点が
演出が邪魔をしている
という点。
このゲームはトラップ“アクション”です。基本的には、タイミング命です。
何度もマップを開いて、敵が部屋に入ってくるタイミングを見計らい ここぞというタイミングで罠を発動する、まさにそのタイミングで
いわゆる“名乗り”の演出が入ります。強制カットインです。
発動させたはずのトラップが発動していない そこにいるはずの敵が居ない
こんなことがしょっちゅうです。
また、そもそも開戦時に敵に囲まれた状態で始まるというのはどういう仕様なのでしょうか。
特に敵が射撃タイプの場合、近くの扉へ駆け込むだけで体力が半分くらいになってしまうことも珍しくありません。
これらシステム面については、ゲームそのものの面白さとは無関係の部分であり
それだけに、せっかくの面白さが台無しになっているのが非常に残念です。
8年ぶりに復活したシリーズ最新作との事ですが
今までのシリーズでいったい何を積み重ねてきたのでしょうか。
シリーズモノの強みである、システム面のノウハウはどこへやら
「きちんとテストプレイをしているのか」
と疑問を持たざるを得ません。
上記の問題点については「お前が下手だからだ」と言われれば、それまでなのかもしれません。
上手にプレイされる方は、このようなシステム面など何の苦にもならないのでしょう。
しかし、私のように 平日は1時間程度軽く遊びたい、というプレイヤーにとっては
致命的な欠点だと思います。
現に私は休日にしかプレイが出来ませんでした。
こういう言い方は失礼にあたるかもしれませんが
時間に余裕のある方には、内容自体は非常に面白いゲームですのでオススメできますが
仕事や勉強の息抜きとして、少しずつプレイがしたいという方は、購入を控えた方が良いかもしれません。
【追記】
アップデートにより、ステージ毎のセーブ、トラップの付け替えが可能となりました。
これにより、上記のセーブポイントに関する問題は解消されています。
ほかにも、様々な不具合の修正はもちろん
敵の耐性や無効が分かりやすくなったり、敵キャラクターの攻撃頻度・移動速度が調整されたりと
方々で言われているような不満点、問題点に関する修正が多く入ったようです。
対戦型ゲームやオンラインゲーム以外でこれだけの修正が入るというのも珍しいのではないでしょうか。
ユーザーの声に応えてもらえるのは大変うれしいことですが
「評価を見てから、問題があれば後から修正すればいい」という投げやりな発売方法はいかがなものか…と思うのは少々ひねくれすぎですかね。
とは言え、アップデートで修正をすれば問題が全てなかったことになるとも思わないので
星は4とさせて頂いています。
これから購入を検討される方へ向けては、星5の面白さがあると考えて頂いても良いのではないでしょうか。
演出によるタイミングのズレは相変わらずですが
ゲーム自体の面白さを台無しにしている、という程の致命的な欠点は解消されたように感じました。