ホームズ短編の魅力は何か?
間違いなくその名
探偵ぶりであろう。
特に冒頭で。わずかな手掛かりから、依頼者のさまざまな事柄を当ててしまうあたりが面白い。
かなりいい加減な、推理といえるようなものではないのだが、いかにも名
探偵らしくてなかなか良い。
さて、本書は最初の短編集ということで、作品ごとの出来不出来も大きい。
ミステリ色の比較的強いものというか、犯罪がからむもの、例えば「赤毛連盟」、「まだらの紐」、「ぶな屋敷」などは面白い。
多分、ドイルの創作意欲に、かなりむらがあったんだろう。
つまり、ドイルの本シリーズの執筆に、迷いがあった。
だから、試行錯誤だったり、執筆意欲が安定していなかったりしたのではないだろうか。
また、各話がかなり短いので、書き込みに不満があるものも多い。
これは時代のせいで、しかたのない事だが。
ドイル本来の持ち味は、多分波瀾万丈の長編作品のほう、特に「緋色の研究」などの後半の伝奇部分にあったのだろう。
しかし、そのストーリーテリングは、短編にも間違いなく発揮されている。
若干年を取ってから読むと、ヴィクトリア時代のそこはかとない雰囲気が良い。
ドップリとひたれる。
今のミステリ読みには、とってもクラシカルであろう。
でも、古典として抑えるべきものでもあるし、島田「御手洗物」好きには、その原点を見る思いがするだろう。
思ったよりエキセントリックではないホームズの姿に、しばし酔いしれる作品集である。
ストーリーはたぶんオリジナルです。
ホームズを操って、会話したり調べたりと、楽しいです。
兄(名前忘れました)も出てきますよ。
ロンドンの雰囲気も出ててファンなら大満足じゃないでしょうか。
4つの署名、赤毛同盟、まだらのひも他、あなたが40、50代であれば少年少女の時に一度は目にした懐かしい作品が入っている。とは言え、
英語で読むのは別物である。
難解な単語はそうそうないが、関係代名詞のオンパレード。しかも会話にもだ。
ホームズがこう多弁だとは思わなかった。溜息ものだ。
内容は少女時代そのままにわくわくする。ホームズと言えば部屋で推理するものと思っていた。日本の刑事ドラマで警察官が走り回る姿をさえないと思っていた。しかし、ホームズはよく走る。馬車にも汽車にも軽快に乗る。フットワークが軽いのだ。おかげで大英帝国時代のイギリスの情景がいきいきと眼前に広がる。原書で読むと苦労する分、ぐんと本に近づける。懐かしさから手を伸ばす人だけでなく、少年少女達にも是非お薦めしたい1冊である。
単行本ヴァージョンから大幅に注釈がカットされているというので、評価を下げている読者もいるようだが、ドイルが最も気に入ったシドニー・パジェットの挿絵が大量に載っているということだけでも個人的には大いに「買い」である。ただ、「緋色の習作」と同様、絵が小さいのが残念だけど・・・・・・・
注釈が大幅にカットされたといっても、他の翻訳よりははるかに多いので、文庫本としてはこれでいいかも。注釈全部を読みたい御仁は、訳者も言ってるように、オリジナルの単行本を読めばいいだけのことだ。
今回の「訳者あとがき」は、コナン・ドイル・ファンならすでに了解済みのことかも知れないけど、実に興味深い。ドイルがなぜホームズ物を書き続けたのかという極めてプライベートな理由が示されている。とりわけ、「メ
アリ」という名の女性が、ホームズ物には多く登場するその理由というのが、実は?・・・・・これを知るだけでも、この全60篇に及ぶホームズ物を、繰り返し何度も読み返す面白味が出てくるというモノだ。
で、肝心の翻訳だけど、気のせいかどうか、今までの訳よりは読みやすくなっているような気がする、というのも、他の翻訳も含めて、TV、DVD等の映像等も含めて、今まで何度か親しんだことがあるストーリーで、ほとんどの粗筋が分かっているせいなのかもしれない・・・・・・
効果のほどはわかりませんが、可愛いです。
手持ちの
ムーミンより大きいので面積広めだから、より光ってくれそうです。