原田さんとは大分世代が違うのですが、BSでたまたまミスター・ミセス・ミス・ロンリーを見てからずっと気になる女優さんでした。若い頃の原田さんはその独特な風貌や存在感で、ただ場に登場するだけですべてを飲み込むようなブラックホールの様な女優さんに思えました。でも今はガラっと変わって、映画やドラマの脇をしっかりとかためる「プロの女優」=(文中の長谷川監督の談)になりました。ここまで大きく変わったのは何故なのか?その答えがこの著書を読んで分かった気がしました。
原田美枝子の一ファンとしては、長谷川監督と走って欲しかったなと本当に思いました。でもまだわかりませんよね。長谷川監督の次回作に
原田美枝子が出演なんて事も近い将来あるかもしれませんね。
全19話中、勝新監督作品は女優栗田ひろみの「天保駕籠戦争」・中野良子の「歌声が市を斬った」・李礼仙の「遠い昔の日に」・
原田美枝子の「冬の海」の4作品。なかでも「冬の海」は、脚本家・中村努が「(脚本が)なんにも無しで始まって、素晴らしいものができた」例で、ホン(脚本)無しでこんな傑作ができてしまってホンヤはどう書いたらいいんですかと勝さんに聞いたところ、「市、少女、海、と3行書け」と言ってニッコリしましたと証言する傑作。この1本だけ音楽が映画『無宿』(1974年、斉藤耕一監督、勝新と高倉健共演)も担当していた青山八郎。「歌声が」では勝の三味線の腕前が披露されますし、「遠い昔の日に」では子供を人質に取る《悪徳》が描かれます。
勝新監督作以外でも太田昭和監督・大竹しのぶ「蛍」、黒田義之監督・二宮さよ子「忠治を売った女」、井上昭監督・佐藤オリエ「女の鈴が哭いた」が傑作。