メインストーリーは何の変哲もないラブストーリーなんですが、サブストーリーとなる幻の作家と編集者のやり取りが面白くて見続けました。幻の作家が開いている古本屋も雰囲気たっぷりで、思わず古本屋へ行きたくなりました。
長谷川京子もかわいい感じの脇役で登場。
スタンリー・ドーネン、ヘンリー・マンシー二、そしてオードリーときたら、それだけでウキウキしてきます。そして、その期待を裏切らない珠玉作がこれで大好きな映画の1つです。このトリオの前作「シャレード」は、お洒落度たっぷりの極上のサスペンスですが、こちらはそんなスタイリッシュさを失わずも、加えてオードリー作品の中では稀な、現実的な作品でもあります。倦怠期の夫婦の日常的ドラマを過去・現在・交差させる手法を保ちながら、しみじみと私達に「愛」について見せてくれます。その心地良い事!出会いの頃の憂い、新婚のウキウキ、たわいもない言い合い、倦怠期の浮気~そして、今一度のやり直し。
そして、オードリーの共演男優はいつもは彼女とは年齢の離れた年上男優が多かったのですが、今作共演は、まだまだ若い新進のアルバート・フィニーがオードリーとまったくもって対等の雰囲気でカップルを演じます。時にオードリーに冷たく当たったりもしますが、それをけなげに、タフに受け止める彼女が新境地の演技をみせて素晴らしい。60年代のあの少しばかりサイケな香りが漂う映像に、切なくて愛すべき音楽はやはりマンシー二です。エンド・マークが出てもいつまでも余韻に浸りたい夫婦の物語です。是非、ご覧になってみてください。
初回出荷限定版(2003/12/17発売)の黄色の花畑の方でなく、こちら(2011/04/22発売)のパッケージのブルーとベージュの色調と写真が好みだったのでこちらを購入しましたが、中のピクチャーディスクは、黄色の花畑(規格品番も2003年初回出荷限定版のもの)でした。再販はディスクをパッケージと揃えないのですね。