近作は念願の自衛隊全面協力ということも手伝って、武装車両、ヘリコプターなどメカ的には凄くいいです。出てくるだけは・・。 前作(オリジナル)で協力が得られなかったため、角川は当時数千万円をはたいて、61式戦車(確か61だったと)のレプリカを作成、話題をさらいました。そのおかげかそちらの作品は存分にアクションがあったのですが、今回は自衛隊に気を遣ってか、アクションは非常に抑えられており、かえってスケールダウンした感じです。ネタバレで言いますと兵器を使った戦闘シーンはほとんど無。ヘリコも簡単に落ちるわ、戦車もあっさり撃退され、活躍の機会はほとんどありません。 どちらかというとストーリーと人間ドラマに重視をおいており、SF色の濃いアドベンチャー作品に仕上がっています。なので作品としては決して悪くないのですが、オリジナルの好きな方にはあまり面白くない内容だと思います。涙腺を熱くしたあの物語は、今回は涙腺が熱くなるシーンがほぼ無しということも、マイナスです。 オリジナルへのオマージュとして、腕時計(誰が見るかは見てのお楽しみ)で時間を確認するシーンは面白かったですよ。
この詩があるからこそ、きれいにまとまった映画。音楽は岩代太郎さん。ドラマチックに映画をもり立ててくれています。
帰り道を見失わないように。生き抜いてこその人生。
音楽には星を5つ。
小説は全部読んで、OVAも劇場で見ました
個人的には絵は綺麗だと思うし、漫画に関して特に文句をつけるつもりはないです
あくまでUCのサイドストーリー的な位置付けであるこの作品で、本編と重複する内容を詳しく描写する必要はないかと思いますし
おさらい的な感覚でスラスラ読めてよかったです
この辺りで3巻ではいくらなんでも長すぎるので・・・
ただ現時点でその「サイドストーリー」部分が余りにも現れてこないので少し残念であり、心配でもあります
福井氏の作品はそれなり以上に読んでいるつもりの自分から見れば疑うようなことはしたくないので
ここから先どのような展開にもってくるのか非常に楽しみにすることにしています
漫画の完成度は星5つですが、現時点でこのバンデシネの本筋が見えてこない点を減点して4つにしておきます
月間文芸誌に掲載された短編をまとめた新刊なれど、筆者既刊「亡国のイージス」「12Y.O.」にからむ人物が登場する短編などあり、福井晴敏ファン必読書かな?大作「終戦のローレライ」同様、国家と個人の関係を考えさせられる作品集、精緻な文章表現は冴えに冴え渡る限り!
この最終巻に掲載されている最終回を読んだ後、何年ぶりか記憶がない位久しぶりに、富野由悠季氏の小説「伝説巨神イデオン」全3冊を本棚の奥から引っ張り出してきて読み、劇場版発動篇のDVDを観てみた。
このガンダムUCという作品はガンダムマーケットの中で存在する為に、全く言及されず、余り知られてもいないが、作家としての福井晴敏氏に最大の影響を与えたのは、ガンダムよりもむしろイデオンである。
福井氏本人も、NHK-BS番組に出演した際「イデオンと出会ったことによって、全ての価値基準の中心軸がイデオンとなってしまい、その後の人生で様々な作品と出会う度に、“この作品はイデオンと比較してどうなのか?”と自問するようになった」と告白している。
ガンダムUCの最終回は、はっきりとイデオン、それも原作小説のラストシーンを意識した返答、回答として構成されている。
”ガンダム”という最早救いようがない程にマーケットに染まりきった枠に拘らず、純粋に”人の業を描ききることを主題とした富野文学”という視点で捉えたとき、ファーストガンダムで提起されたテーゼに応えた正当な続編はむしろイデオンである。(オーラバトラー戦記やVガンダム辺りも、それらに含まれるだろう)
福井氏は本作で、”可能性という名の神”という表現を使った。
この言葉によって、「イデオン発動篇」で完膚なきまでに冨野氏が否定した、”生身の肉体に囚われた人の業の愚かしさ”に救済と可能性を残そうとしたと言える。
この辺りは予想通り・・・というか他に書きようがない。"イデオン"で一度示された結論に立ち向かうには、表現がどうあれ”愚かしい生身の肉体の業の輪廻にこそ、健やかな人のありようがあるのではないか”と開き直るしかないからだ。
「・・・なにがショックといって、『ガンダム』の最終回で「僕にはまだ帰れるところがあるんだ」と主人公にいわしめた同じ富野監督が、今度は見知らぬ惑星に転生していくしか和解するすべのなかった人々を描いたということ。もしここで、その新しい星こそが現在の地球であったのかもしれないと考えたとき、そこに描かれた絶望と諦念は限りなく深い・・・」(大田出版「イデオンという伝説」より抜粋)
予想通りの結論ではあったが、いつもの福井節で”愚かしくもいとおしい、普通の人々の悪あがき”を、いつも通りに書き切ってくれた福井氏の力量に敬意を表したい。
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