現在のアメリカ音楽シーンでもっとも活躍できた人物ではないのか。ジャンルを限定しないその旺盛なパワーは驚嘆に値する。これは初期の名盤。当時の一流音楽家を素材にしてジャズアレンジャーとして名声を得ていたクインシーのアレンジがさえる。たとえば=フィルウッズ、アートファーマー、ミルトジャクソン、ハンクジョーンズ、ハービーマン、シェリーマンなどものすごい顔ぶれ。これらのメンバーのクールなソロが聞けるのがうれしい。落ち着いたムード満点のクールジャズが満喫できる。現在はすでにジャズからは遠ざかっているクインシーであるがまたこういう企画ものをやってほしいものである。10点中10点
障害を抱えながら必死に生きていく姿に感動しました。
耳が聞こえないのにホステスをやる、特にコミュニケーションを必要とする仕事なのに。
それでも彼女は、お店のNo1ホステスになる。
人と人のつながり方を新たに考えさせられる作品でした。
著者は手袋作家の福島令子さん。以前鎌倉にMani Maniという手袋店も構えていらした素敵なマダムです。この本では、ご自分のコレクションから博物館などにある貴重なものまで、エポックメイキングな手袋について、きれいな写真を添えたシャレたエッセイで綴っています。左ページに写真、右ページに文章と、1つ1つが見開きで完結しているので、読みやすく、自分のお気に入りの手袋がすぐに見つかりますよ。暮らしの手帖社らしく、丁寧で品の良い作りの本です。そして文章も、気取ってないけど、とってもモードで、「ほんもの」を感じさせます。中でも私は赤穂浪士の大石主税のトンボ柄の手袋の話が好きです。型染めされたトンボ(勝虫と呼ばれ、武勇の象徴として武士の衣服のモチーフによく使われた)の模様を「トンボの形態、動きを巧みに捉えた力強い図案が傑出」していると評し、「彼が14歳で描いた猿の絵を見ていると、文武両道に秀でていたばかりでなく、美に対して感性豊かであったことが窺われて、16歳の生涯は惜しんでもあまりあります」と結びます。手袋を通して、大石主税という青年に寄り沿う心の動きが、余韻となっていつまでも心に残ります。手袋から人の人生まで見えてしまうのですね。手袋と人への愛情のこもった素敵な本です。手袋の入門書としてはもちろん、エッセイ集としても秀逸。おしゃれなお友達へのプレゼントとしても喜ばれるでしょう。ぜひ多くの方に手に取っていただきたいと思います。
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