ショパンのワルツはあまり全集盤がでていないので、うまい選曲だと思いました。彼女ならエチュードとかポロネーズとかバリバリ弾きそうですから。ただ、彼女の演奏はダイナミックで男性的(テニスのシュテフィ・グラフに近い)イメージだったのですが、本作を聞いてこんな演奏もできるのかと感心しました。鬱々とした調べはおよそワルツというイメージではないのですが、ショパンの危うさ、もろさ、耽美的な歌心を見事に表現しています。天才に年齢は関係ないようです。
日本国内盤は高いのですが、海外盤は同じ内容でも安価に手に入ります。
本誌の特集ではその紹介がなされています。
はっきり言って、レコード芸術は私は海外版のページしか興味が無いのですが、それがこの号では特集しています。
入手方法を含めた紹介記事など読んでおいて損の無い内容だと思います。
1月7日と今日、アリス=沙良・オットの演奏会に行ってきました。
CD収録曲の「ワルトシュタイン」とアンコールで「エリーゼ」を
演奏してくれたんだけど、「ワルトシュタイン」はまだまだ、彼女の
年齢を考えると、立派な演奏だけど、もう少し人生経験を積んでからの
彼女の演奏がどうなるのかな?という感じでまだ発展途上の演奏でした。
(逆にこの時点ですでに老練な演奏だったら、恐ろしい事態だけど)
コンサートでの圧巻はショパンの「スケルツォ第2番」で、たぶん今の
彼女にとって一番共感できる曲なんだなということがよく分かる演奏でした。
アンコールでリストの「カンパネッラ」と「エリーゼ」を弾いてくれたんだけど
この「エリーゼ」がシュナーベルやシフラ、ケンプといった往年の巨匠を思わせる
王道を行く演奏で、実に聞き物でした。日本盤のみ特典でCDに収録されている
ので、ぜひ一度ご傾聴を!!!
ただし、曲順には文句があります、、、なぜ解説どおりの順番で収録しないの??
今年の1月3日に放送された「情熱大陸」(毎日放送)に、 アリス=紗良・オットさんが出演されていたので、視聴しました。
その放送の中で、このCDに収録された曲目の練習風景なども含まれており、どのような音楽になるのか楽しみにしていました。
CDを購入して早速聴きましたが、力強く、それでいてエレガントなピアノの音色には、いつも感動させられます。
昨年は良き理解者であった日本の祖母がお亡くなりになり、とても悲しい経験をされたそうですが、「おばあちゃんは信じてるよ」という言葉を支えに、これからもレパートリーを広げて、一層のご活躍をされるよう期待しています。
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