特に凄いということは、もしかしたら無いのかも知れない。けれど、ただの日記という以上に切なくて、悲しい。早川義夫にとっては批評も一個の作品であって欲しいらしく、そういう意味でもこのエッセイ集はただのエッセイではなく、彼にとってはひとつの小説みたいな物なのかもしれない。そういう意味で捉えると、早川義夫のどうしても言いたいこと、やりきれない想い、憧れる物、キレイなもの…そういうものが満ち溢れているように思う。 飾らない文章だけれど、心に響く文章を淡々と綴るこの本は、本当に良い本だ、と断言できる。ただのミュージシャンの回顧録ではない。早川義夫という一人の人間の息吹さえも聞こえてくるような、そんな暖かい文章達ですよ。
レココレでは、以前日本のロック、ポップスに関する本として「日本のロック/フォーク・アルバム・ベスト100」を出していましたが入門者の方とか日本のロック等について俯瞰的に知りたい、ガイド本が欲しいとお思いの方ならそちらの方をお勧めします。こちらは、例のアーカイブシリーズで以前レココレで特集した記事をそのまま再掲載するシリーズです。ですので、取り上げられたアーティストは深く掘り下げらられていますが、これで「日本のロック/ポップス」全部がつかめるというものではありません。
ただ、取り上げられているアーティストを通じて日本のロック、ポップスに関してここまで深く踏み込んだものはあまり見当たらないので、非常にありがたい1冊だと思います。
欲を言えば、というか不思議なのは、GSの特集はここに載らないの?キャンディーズ特集も載せるべきだったのでは?さらに、URC特集については追加訂正のコーナーでもっと拡大してほしかったなあと3点ありますが、まあ、ここまでの本を今出せるのはレココレだけなのでその頑張りに免じて星5としました。
今のロック・ポップスを知るには欠かせない1冊だと思います。ここで取り上げられたアーティストが作品が無ければ日本のロック・ポップスは随分と違ったものになっていたことは間違いないでしょうね。
今後もレココレの特集、増刊期待しています。
たしかにとげのある表現もある。矛盾だと思うこともある。しかし、何度も読んでしまうのである。はじめて読んだのは早川さんが復帰して間もない頃お茶の水の店頭で文庫本で。今は新装本で。正しいかどうかなんて私にはわからないが限りなく素敵なのだ。早川さんが本当は何を伝えたいか知りたくて何度も読んでしまう。遠藤周作さんの「私が捨てた女」を読んだときもそうだった。何十回と読んだ。「ラブジェネレーション」何度読み返しているだろうか?本を買う意味とはここにあると思う。そうでなければ、図書館で読めばいい。早川さんはいつも唄っている。本の中でも。CDを買ったような気分だ。
80年代からごく最近までの、わりと短い文章が前半の三分の二、残りがここ1年くらいの日記という内容です。
HPからの文章のようですね。
早川さんの唄は、もちろん素晴らしいのだけど、文章もなんというか、ストレートにそのまま心の中に入ってくるような自然な感じで、「ラブ・ゼネレーション」からずっと読ませてもらってます。
早川さんは僕よりほぼひとまわり上の世代で、著書を読んでいると大先輩が生きることに関するいろんなことを話してくれているというように僕はいつも思います。
読んでいると肩の力が抜けるというか、僕もこのままでいいんだって思わせてくれるところが好きなのかもしれません。
今回は後半の日記も楽しいのですが、出来たら全部がエッセイのような文章だったらよかったかなとも思いますが、読んでいる時のこの心地よさは多分他では味わえないような気がするので、少しでも早川さんに興味があって、まだ著書に触れたことがない方は読んでみるといいと思います。
帯に書かれている「これからも「女の子」に恋をしよう。少年のような恥じらいと、老人のようないやらしさで。それしか、生きがいはないではないか」という一文・・・勇気づけられます。
なんだろう。本当にすばらしいものは解説を拒絶する。 これと。批評家は何を生み出しているのでょうか。 ですかね。楽器をひいたことがない人に批評=レビューしてほしくはない。鋭利なナイフをつきつけているわけですね。 マインドボムですかね。日本のマットジョンソン。 早川氏の考えに全面的に賛成です。10点中10点 遠藤賢司氏とともに天才のひとり。
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