ジョンバエズの人間性が良く見えて、想像を超えて身近に感じる事が出来、今まで以上に、好きになりました。
アールののびのびしたプレイが堪能できるDVDです。 また、ジョーンバエズがディランの物まねで歌うIt ain't me babe. もおすすめです。 クラレンス・ホワイト(バーズ)のストリングベンダーによる演奏が見られるのもクラレンスファンにはたまりません。 但し、同名のCDに付属したボーナスDVDと同じものですので、CDを持っている人は間違って買わないように注意しましょう。
特に、Donna, Donnaは大きな意味を持つ歌です。ナチスに連れ去られようとするユダヤ人の仲間を牛に例え、悲しみを綴った歌詞を、反戦歌としてJoan Baez が歌ったことにより世界に広まりました。大いに意味のある歌であり、その歌を含むアルバムと云うことで今でも大切に保管し、歌を楽しんでいます。
吹奏楽の曲で「ローザのための楽章」をアナリーゼするために購入しました。ただ、演奏した後で購入したので、これをふまえて演奏することはないかも知れませんが、気になったものですから購入してみました。 ローザとはアメリカのローザ・パークスのこと。バスボイコット事件に端を発して、後に人種差別廃絶のために尽力され、2006年だったか、90数歳で亡くなった方です。「ローザのための楽章」のコーダの部分にwe shall overcomeの一節が引用されています。「ローザのための楽章」のいい演奏を聴くと内から込み上げてくるものがあります。 現在の社会では人種差別は無くなり、ローザ・パークスの勝利であると認識されているかと思います。しかし、「ローザのための楽章」終局部分は非常に不安な印象を残して終わります。この謎を解く鍵が、ジョーンバエズが実際に歌ったwe shall overcomeのライブ盤にあると思い購入したのです。 一般に日本の歌声などで we shall overcomeをうたう時には、どちらかと言うと歌いあげるように歌っていたかと思います。overcomeが完了したようにです。しかし、「ローザのための楽章」を作曲したキャンプハウスは、まだ地球上のあらゆる差別は無くなったわけではない、ましてや血で血を洗う戦争も絶えない、そういう意味での人類が真にhomo sapiensになる闘いはまだ続く、と言わんばかりの終曲であると思いました。 そういうことを想像するのに十分なジョーンバエズのライブ盤です。もちろん私の感じ方は私だけのものかも知れませんが、今度演奏することがあるとすれば、ローザ、ジョーンバエズ、キャンプハウス、そして作曲された時代背景も顧慮しながら「ローザのための楽章」を演奏できるのではないかなと思いました。なお、we shall overcomeはピート・シガーの作曲です。ピート・シガーと言えば、「花はどこへ行った」ですね。これはテレビでも放映されましたが、「静かなドン」のショーロホフに源流があるようです。この曲もお勧めですね。
Don't Look backでのアコースティック中心のディランとBangladesh Concertでのほとんど老成したような(ここでの演奏もすばらしいが)ディランの間の時期の彼のイメージがずっとつかめずにいたが、このDVDを見ると当時('65〜'66)のディランが如何にすごかったかを初めて認識できる。
アコースティック時代のコンサートでのディランのすごさのひとつは、どんなシュールな歌を歌うときでも、聴衆が理解するかどうかという点にまったく疑念を持たず、圧倒的な確信をもって歌うところだったと思う。
多くの人は、エレクトリックセットでブーイングを受けながら演奏するディランを『悲壮感』とか『悲しそうに』とか見ているようであるが、この映画を見ると、理解されずにイライラはしているが相変わらず圧倒的な確信を持って演奏していることが見て取れる。
その確信ゆえに、ディランは聴衆に対して一歩も譲らない。『時代は変わる』までの、『フォークの貴公子』といわれ、労働者風のよれよれのシャツとズボンを身に着けた短髪のディランが、聴衆の保守的な期待をまったく斟酌せず、アフロヘアーになってエレクトリックな音の奔流に身をよじらせる姿に変わったという点だけでも当時においてはほとんどスキャンダルだったんだよなあ、ということが納得できる映画である。
Like a rolling stoneの映像がすばらしい。かっこいい!としか言いようが無い。
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