毎年恒例になってきた文春文庫発スレイドの新作(但し原書は99年発表)、ミステリーファンとしては十分、楽しめる内容になっています。但し、苦言を一言!!帯にカナダのディーバー?的なセールス文字がありますが、全く似通ってないと思いますよ??ディーバーにも失礼ですし、スレイド本人にも同じく失礼でしょう。洗練されたプロットとジェットコースター的な展開の速さが魅力なディーバーに対し、スレイドは物語の展開が読めない面白さは通ずるものの、大量数殺人、数々のトリック、孤島物、密室物、オカルト物等、逆に整理、整頓が出来ていない大胆な荒々しさに大きな魅力があるんで合って、全く作家のポジションが違うでしょう。出版不況のあおりで作品を売りたいことは分かるのですが、実際かなり違うと思いますよ。今回も、シリーズを通して準主人公的人物が、こんな可愛そうなことにと、ハラハラさせられます。シリーズも文春さんに移って4作目ですし、一定の評価があるから発売が続くのでしょうから、ちょっと余計なお世話でした。
バンドにはある程度セールスということが重要になるのでしょうか。このグリーンスレイドというバンド、ギターレスでツインキーボード、クラシカルなフレーズやジャジーなところもあり、かっこいいと思います。ところが、作品ごとに進歩している感じがある初期の2作に対し、この3作目4作目は売れずにもがき苦しみ、仲間割れを起こしているかんじのアルバムとなっています。しかし、ところどころに個々のメンバーの光るところが見つかり、それなりに楽しめました。その2作をセットで、しかも1000円程度で聞くことができたのはラッキーと言えるでしょう。
収録曲は『だから君が好き』〜『レディオウォールオブサウンド』までのPV。それとは別にライブ曲が数曲入ってます。 カモンフィールザノイズでお馴染みのグラムバンドでありながらニューロマ全盛期の80年代初頭にも全英2位ヒットの『マイ・オー・マイ』や『ランランウェイ』を世に出したバンド…スレイド。 どうかスウェードと間違わないであげて欲しい
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