ネタバレするのは嫌いなので、内容については省きますね。
やっぱ、この人、こういう男臭い小説書かしたらピカイチですね!! ワイルドソウル、ヒートアイランドが面白いと感じる事が出来る人なら読んで損は無いのでしょうか。 垣根節全開です(^-^)/
好みは別れるかもしれません、しかし!!僕の場合は文句無しの★5つです!!!!!
長い助走が終わり、ようやく事件が動き始めます。松尾とケイのからりとした友情も読んでいて心地良かったです。貴子の強情な性格も読んでいて怖いと感じつつも、男性に対する厳しい視線は現代女性のリアルな描写に思えました。コンゲームよりも、いかに足取りを掴ませないかと云うことに作者は腐心しているようで、”騙し”の爽快さは余りありませんでしたが、秋津が誘拐に使用したトラックを割り出す推理は「なるほど」と思いました。唯、秋津が第二の事件の謎を暴くためだけの狂言回しで登場した感じだったので、魅力的なキャラクタだけに少しもったい無かった気がしました。
読みやすかったので一日で読了。総括すれば楽しめました。
最後に、山本のおっちゃんの侠気に合掌。
ヒートアイランドシリーズの4作目の「ボーダー」。別れたはずのカオルとアキや柿沢・桃井が再開し、当時の「雅」に扮した偽の「雅」の正体を明らかにする話です。本作の主人公はカオルで、「サウダージ」のようなドロドロした感じではなく、青春といった感じになっています。でも、1作目ほどの迫力やキレはなく、少し期待外れといったところでした。新たな展開もなく、残念でした。そのストーリーには「午前三時のルースター」で登場した中西慎太郎や長瀬が登場しましたが、やっぱり内容が薄く、迫力がないストーリーでした。と言いつつも、ボーダーの最後の言葉には心にしみるものだったと思うので★3つです。他の垣根作品やヒートアイランドシリーズの続きに期待しましょう。
■読み始めたきっかけ
「ワイルドソウル」が面白かったので、2冊目として「ヒートアイ ランド」をチョイス。巻末の大沢在昌の解説の中で、彼も同じ順番 で読んだようだ。
基本的にはハードボイルド。用意周到で頭が良く、体を鍛えている、 車(日本車)、カネが絡んだストーリー。男性読者が多いと想像される。 義理人情も重要なキーワード。しばらくは、他の著作も続けて読みたい と久々に思った。
■心に残る言葉
著者は、日本車が好きと思われる。特に90年代の車種が好きなのでは ないか。「ワイルドソウル」では、フルチューンをしたRX-7。イメージ 的には、BMWとか外車だろっと思っていたところに、意外な設定。
今回は、インプレッサとユーノス500!特にユーノスは最近の若い 人は知らないだろう。同車はハイレフコート技術と呼ばれる塗装がいい。 ダークグリーン、ダークレッド系のカラーは欧州車の香りがする。当時 のマツダはランティス、コスモを含めスタイリングやインテリアがいい 車が多い。私も含め30歳代の90年代の日本車好きには、たまらない設定。
解説の大沢在昌で「修羅場が男を磨く」という信念を著者は持ってい ると書いている。確かに「ワイルドソウル」も含めて、それぞれの登場 人物がそれぞれの背景で修羅場をくぐり抜けている。それが、垣根涼介の 魅力であると思う。
自分には縁遠い世界だが、かっこいい、そうありたいとあこがれる世界 があると思った。また他の著作も読んでみたい。2作読んで大体の展開や キャラが読めるようになったが、その分、安心して読める気楽さがある。
■どんな人にお勧めか
90年代の日本車好きの人 早朝ジョギングなどで、体を鍛えたい人 家をシンプル、清潔にしたいと思う人 用意周到な人間を尊敬する人
「君たちに明日はない」シリーズは、垣根涼介の作品の中でも特に好きなシリーズであるが、今回もずっしり良かった。 いわゆるリストラ請負会社の面接を通して、いろんな人の生き方、仕事のあり方を浮き彫りにさせる。自分を振り返ってもとても参考になり、下手なキャリア本よりもずっと深い。
今回、一番ぐっと来たのは、「永遠のディーバ」飛行機の中で読み終えたのだが、涙が止まらなくて困った。才能とは、「次々と見せ付けられる実力の差やセンスの壁に、それにもくじけずその行為をやり続けるに値する、自分の中の必然。それがあるかどうか。その気持ちだけが、その必然に支えられた情熱こそが、絶え間なく技術を支え、センスを磨き、実力を蓄えてくれる。」なるほど。 最後の「リブ・フォー・トゥディ」も良かった。ある意味、自分に一番近い生き方かもしれないから。でも、森山のようにあっさり次に進めないけど・・・それは、キャリアの終盤にいるという年齢の差か。 表題の「勝ち逃げの女王」は一番ぴんと来なかった。そういうものか・・・
単なる小説だと思わず、仕事を通した生き方の本として多くの人に読んでもらいたい。
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