「JUST THE WAY YOU ARE」(本作のリードシングル)といえば、我々の世代だと、やはりビリー・ジョエルの「素顔のままで」がすぐ思い浮かんでしまうわけですが、一見ソウル/R&B路線の人であるように認識してしまいがちになるブルーノ・マーズにも、本作を聴けば、本質的にはビリーと同様の、ジャンルレスなポップアーチストとしての共通点は大いにあるように思います。 昨年(’10年)リリースされ、現在もロングランヒットを継続中のこのデビュー盤は、誰もが気軽に楽しめるポップソングが満載の作品となっていて、一聴すればそのことがよく分かるんじゃないかと思います。 尖ったところは全くなく、全編にわたってポジティブでハッピー&ファンなトラックばかりが登場してきます。 同郷の先輩ジャック・ジョンソンや、ジェイソン・ムラーズなんかに、この音はむしろ近いかもしれません。 近年、音楽シーンをリードしているのは、過激かつ先鋭的な、クラブやダンスホールが主導するHIP HOPやダンスポップであることは間違いないのですが、本作のように、非常に素朴で温もりのあるポップスを聴いていると、そんなシーンの潮目も少しずつではありますが変化してきているのかな、と思ったりもしました。 肩の力を抜いて、気楽にPLAYボタンを押して楽しめる、そんなほんわかしたポップ作品です。
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