西武黄金時代を工藤や郭らとともにエースとして築き、前評判の
低かった西武を就任一年目で見事日本一に導いた渡辺久信氏の
初となる単行本。
よく言われることだが、チームカラーはトップの人で決まってくる。
西武は若く勢いのあるチーム。やはりその雰囲気を作っているのが
渡辺監督であるということがよくわかった。若い選手は失敗するもの。
失敗して怒ることで得るものよりも失うものの方が大きいという自論を、
選手と密にとるコミュニケーションから導き出した。
その自論の下の指導の結果である積極性は西武の選手の果敢な走塁、
フルスイングから容易に窺うことができるし、選手と密にコミュニ
ケーションをとっていることは、優勝し胴上げされる時に、監督の
合図をもとに「1」の指を作った「まとまり」から分かるものである。
若い溌剌とした新たな監督像として伝わってきた。
組織として活性化するためには、押さえつけてはだめで、下の者の
気持ちをいかに持ち上げるかが重要であるかを教えてくれる本。
人を動かすためには、心を動かさなければならない。渡辺監督は
きっと選手の心を掴み、前評判では低かったチームを活性化させて
個々の能力を十分に発揮させたのだろう。
「マル金」と「マルビ」という言葉が流行語大賞にも選ばれたベストセラー『金魂巻』が文庫になって帰ってきました。
オリジナルは、1984年に発売されたものですから、四半世紀の月日が流れたわけです。日本経済が世界の頂点に立ち、その先に待ち受けているものがバブル経済だとも知らずに、明るい未来を信じて突き進んでいた頃の日本の様々な職業人の実態を、故・渡辺和博氏、神足裕司氏のイラスト、文章、企画が見事に浮き彫りにしていました。
31の人気職業はどちらかというと作者の身近なマスコミ関係者が多くなっていますが、時代のあだ花のような趣もあり、今見てみると社会学や考現学、経済学の材料に使えるような意味合いも感じます。
選ばれた「マル金」と「マルビ」も、取材対象者の身長、体重、年齢、出身学校、実家、年収、自宅、オフィス、仕事、読書、酒場での話題、趣味などの基礎データが詳しく書かれていますので、その比較が興味を惹くでしょう。丁寧な取材の結果がイラストにも表れていました。具体的なファッション・アイテムが描かれていますので、なるほどそうか、というイメージが造り上げられました。
タラコ・プロダクションがこの企画を各週刊誌に持ち込んでもどこの編集部も相手にしなかったわけで、主婦の友社の編集者の松川氏の炯眼が光ります。
「マルビ」の生活は大変そうですが、現在の2極化した日本の閉塞性を考えれば、まだ幸せな「マルビ」の実態だと思いました。なにしろ笑い飛ばすことができる余裕が周りにも当事者にもあったわけですから。
これが再発売される今日的な意味合いもそこにあるように感じました。
2007年2月に亡くなった渡辺和博の漫画ベスト集。
1975-1982年に「ガロ」に発表された作品が収められており、コマ割の上手さ、余韻の残る幕切れに凄みを感じた。
更に、へたうまのように見えるが非常に上手い絵であることに感嘆させられる。
金持ち万歳・コネマンセー。
ちょいモテ税理士VSちょいキモ税理士といった感じで医者・建築家とかいわゆる勝ち組な人たちを さらに格付けしあう内容の本書
一般に士業といえば、弁護士OR公認会計士のところ
あえてロースクールや粉飾決算による業界再編の動乱がおわるまでは・・と税理士にされたのだと思います。
あたくしも税理士業界の底辺で禄を食んでいますが、正直衰退産業ですやん。税理士業界。
しいて、この業界をとりあげるなんて、上記の消去法しか思いつきません。
フェルディナント氏にとっては、盤上の駒のような愚民を
カテごライズするだけの作業にもかかわらず、めっぽう面白いのも事実。
2CHのコピペレベルの本であるような気もいたしますが、
過激で差別的な内容ゆえ、あんまり話題にならなかったことに逆に驚きます。
ほんとかな〜と怪しむ読者を前に、「日経新聞にデマを飛ばすほうの」フェルディナント氏の
ほくそえみが浮かんできそうです。
これを読むと「勝ち組っていいなぁ¥・・\」「こんなヤシはアキバ通り魔にでもあってしまえ!」と二つの気持ちに引き裂かれますYO!!
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