私の昨年の読んだ本の中で、年間読書大賞はこれです。
友人に出光OBが居て、創業者のお話を聞き、また、たまたま郷土が同じ福岡県と言うことでこの本を手にしましたが、本当に素晴らしかった。
敗戦後の日本にこのような人物がいたことは感動的ですらあります。
イランから日章丸を使い石油を運んだエピソードでは感動で涙が止まりませんでした。
米国的資本主義の行き過ぎなどと言われ、では日本的経営とは?
との話題が頻出していますが、出光的経営は大変お手本になるとおもいます。この本を読んだ後に、ちょうどホリエモン逮捕の事件があり、なんともタイミングの良い話題だと思いました。
大企業に就職して、安定はしているものの、本当の働くことの喜びをしらない方、
マネージャーとして部下を引っ張ってゆく立場の方、
皆さんに是非読んで欲しいです。
出光佐三。もっとスポットライトを浴びて良い人物だと思います。
先日農水相が自殺した際、「昔の政治家はもっとスケールが大きかった」とネット記事を書いていたのが本書の著者、水木楊氏であった。で、水木氏のいう大きな政治家とはどんなものかと、著作でいちばん目立つ田中角栄を手にとってみた。
直接の取材はなく、多数の文献をもとにドキュメンタリータッチに構成した作品である。なかなかの筆力でついつい引き込まれていく。昭和47年に首相になったとき、筆者はまだ小学生だったが、その人気が凄まじかったことを覚えている。
田中角栄の一代記として、本書はなかなかの作品である。当時の政治マップを概観するにもよく、一度目を通しておいて損は無いと思う。死者に鞭打つつもりはないが、たしかに昔の政治家はでかかった。納得。
電力会社はかつて日本に1000社ほどあったそうだ。
前半は、松永氏の少年時代から、日本最大の電力王に至る
成功の軌跡を描く。後半は、軍部により国有化され引退、
そして戦後に復活し、分割民営化を達成するまでを描く。
単にずるく自己中な行動を、「スケールがでかい」
「日本人離れ」と何度も筆者がほめるので少々冷めたが、
それでも自由競争を信じアジアを縦横に活躍する松永氏は
まぶしく映る。現代の閉塞感を打ち破るヒントとなる本。
この本で、下村治さんを知り、2000年の、 加藤政局もあり、一気に、戦後の日本社会体制に、 興味が行った。 貧困にあえぐ、敗戦下の日本を何とかしたいと言う思いが、経済学に昇華した、高度経済成長期の日本は、 そう表現出来るのでは?と思った。 冷戦下で、アメリカのもと、自由主義陣営に、経済的に寄与するという日本の立場は、冷戦が終わった、今も続いているように思う、では、自由主義一色になった世界に、何が必要なのか? 今の政府が口にする、IT革命なる、言葉には、 その答えが見えてこない、 この本の、第3章に書かれている、下村の、変貌の意味を、今こそ考えるべきだと思った。 貧しかった国が、貧しくなくなったときに、取るべき 民主的な態度とは?そのことを真剣に考えてこそ、 次の時代の展望が見えてくるように思う。
「誠心誠意、嘘をつく」このタイトルにあるように物事を成すには
何事にも誠心誠意真剣に取り組まなければ事を成すことはできません。
本書では戦前から戦後の自由民主党を作り上げるまで国家のために
誠心誠意尽力を尽くした三木武吉という一人の政党政治家の人間模様
が描かれおります。
私自身は何の知識もなくこの表紙にある頑固そうな老翁の肖像に
惹かれ本書を手にしたのですが読んでみると期待通り波乱万丈の
人生に富み「野次将軍」と異名をとるほど舌鋒が頗る鋭く、
当時大蔵大臣であった高橋是清の演説で「達磨は9年」と野次を
飛ばしたエピソードなどは読んでいて痛快でした。
やはり機知に富み相手をなるほどど思わせるような野次を言える
ということは、それだけ論理的で弁舌が立つ政治家としての証です。
また、日本が太平洋戦争に入り翼賛政治が蔓延る中、酒を断じてまで
立憲政治を取り戻そうと翼賛政治に対し真っ向から立ち向かい、
非推薦候補として当選した勇士には心から国を思う本物の政治家たる
所以を強く感じ心を打たれました。
この他、本書では鳩山、河野など多くの政治家が登場しますが
これらは今現在の政党政治家と深い関わり合いがあり、現在の
政治的歴史背景を与える一助にもなりより一層政治に興味を
持たせることでしょう。
ぜひ政治に興味がある方はご一読をお薦めします。
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