コラムニストのブルボン小林(=作家 長嶋有)によるテレビゲーム評論集。
彼は1972年生まれ。ファミコンで育った世代の人や、最近のゲームにワクワクしない人にはドンピシャの内容。
うまく言えないけれど、独自の視点でゲーム内の設定や、半ば常識的になっていることを、文字で追う面白さがある。
書いてあるツッコミ的なことが、(良い意味で)いちいち細かい。
「そうなんだよね」と共感できる半歩先を行き、そこまでコダわる?みたいな。
しかも表面的な知識ではなくて、本当のゲーム好きが出ている。
2004年発行の本なので、取り上げられる機種はPS2まで。
10代20代の若い世代にとっては、多少オッサン臭く感じるのかもしれないが、ゲームファンは一読あり。
2作品とも離婚した家庭の日常を描いてる。
時代背景は25年以上前と思われる(作者と同年代なので懐かしかった)。
内容はほのぼのとした感覚がない一方で、ガツンといったインパクトもなく最近の小説では不思議な感触を得た。
作者の伝えたかったことも解釈は多様に可能な感じである。
他の作品も読んでみたい。
長嶋氏の小説は、微妙な心の機微を絶妙にとらえ、読者に押し付ける ことなく伝えてくれる。だからすごく好き。 エッセイは、それとは少し違って、下らないことを少しふざけて、かつ ちょっと共感できるように分析して見ました。っていう感じなんです。 ちょっとクスって感じだけど、心に響くところがなくて氏の小説が好き な人には不満が残ると思う。(ブルボン小林好きにはいいかも) でも、小説の題名の由来や、バイトしていたパン屋での店主とその母 との忘年会(と言っていいものか・・、とにかく読んで)を描いた「二十 歳の年末」では小説のファンでも十分満足できる内容を見せてくれて ます。 ☆3つが妥当かと思うけど、惚れた弱みで☆4つ。 やっぱり小説が好きなら買ってほしいし、小説読んだことないなら、クス って笑えるから買ってほしい。
・・・面白いです。
キリンジの音楽を知らなくても、
読み物として充分楽しめます。
ただ、今回はスティーリー・ダンの話題が何もなく、
SDから彼らに入った人間としては、
ちょっと淋しい気分もありました。
彼らとは年代もほぼ一緒なので、
ジェネレーションギャップを感じずに楽しめます。
ひと味違う季刊の文芸誌。ナンバー15ということだが、創刊以来、欠かさず購入している。毎回、特集に工夫を凝らしているのが特長だけど、今回は、物語とデザイン。サブタイトルは「創作・明日の絵本」。
もともとデザインにはこだわりのあるこの雑誌だけど、今回は特にそう。絵本(というか絵のある物語)がいくつか収録されているが、その中でももっとも良かったのが、祖父江慎の「ピノッキオ」。知らない人はいない「ピノッキオ」だけど、今回収録されている物語は、最初に書かれたものだそうで、私が知っている人情味あふれるストーリーとは違うとてもブラックなピノッキオ。まさに大人の絵本。絵もそんなブラックなピノッキオにふさわしい。
そのほかでは、長島有里枝と内田也哉子の「子供の絵本、私の絵本」が良かった。子供にも大人にも読ませたい絵本の数々を写真と対談で紹介している。
次号はリニューアルに向けて休刊ということだが、リニューアル後も期待したい。
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