まず本書の浩瀚さに匹敵(あるいはそれ以上か?)する内容の深さに嘆息。そして、著者には「よくぞ書いてくださった」という感謝の言葉に勝るものは、今のところ見つからない。正直、僕は白土氏の作品をそう多く知っている方では、決してない。(ただ、小学校の図書室に『カムイ伝』があり、担任の先生が「(差別を描いた)すばらしい作品だ」と言ってくれたことはおぼえている。)今、「忍者武芸帳」や「真田剣流」を読むとその読者に媚びることなく、人間のよい面も醜い面も見事に描ききった格調の高さに脱帽する。現代人よ、つまらないハウツー本を読まずに、白土作品を読め!そして理想について語り合おう。
世の不条理、自由への戦い、人間の本質といったものがすべて含まれていて漫画では収まらない大作。
原作は言わずと知れた傑作。アニメ化も作品世界の雰囲気を汚さない仕上がりになっていると思う。 声優・中田浩二はハマリ役で、城達也によるナレーションも良い。忍び世界では絶対に許されない抜忍。組織から追われる抜忍カムイが生き抜く様を描く。劇中、人の暖かさ触れたと思いきや、裏切られ失望を繰り返す、それでもカムイは今日も生きてゆく…。最近のなまぬるいアニメなど比べものにならない程、シリアスでそしてヒューマニズム溢れる傑作アニメ。
見終わって思ったことは、ちょっと詰め込みすぎやしないか?と言うことでした。
原作の「忍者武芸帳影丸伝」は貸し本17巻にも及ぶ長編。それを最初から最後まで
約2時間に詰め込んだと言うことで登場すらしなかった人物がいたことはちょっと残念でした。
でも力強い主題歌や影丸たち忍者のかっこよさは損なわれてなかったのでよかったと思います。
映像化はとても不可能と言われた作品を大島渚が映画化! …したのはいいのだが、漫画を撮影し、それに役者が吹き替えをする、という 誰もやらん驚異的な手法で映像化してしまったのだからもう大変、試写を見た白 戸三平は怒って帰ってしまったといいます(笑) エヴァンゲリオン最終回を見た濃い人が、"忍者武芸帳みたいだ"と言ってい たものですが、何のことだかわからなかったといいます。そして今DVDで見てわかりました。確かに忍者武芸帳みたいだ!
|