貧乏でもけなげに明るく生きる姉妹の物語、第2弾。
同じ学校の、全く正反対にお金持ちの姉妹の話や、お隣さん、無口だけど二人のことを影でささえる大家さんなどを絡めたお話がありますが、巻末近くの叔母が出てくる話が今回のメインともいえるでしょう。
大金持ちの叔母が二人を引き取ろうとするのですが、それに対する二人のセリフが秀逸。
頭では誰もが「世の中はお金や物だけじゃない」と思っているでしょうが、それを表現するのには多種多様な言葉があります。その中でも、この二人のセリフはじーんとくるものがあります。
全4巻という短さもあってか、この2巻で急展開となるわけですが、全体的には「読み返してみても楽しめる」良質の作品です。
このアニメ話としては決して悪くないのですが、アニメーションが他の作品と比べて1レベル下な感じがします。せっかくの話も演出方法やキャラの表情ひとつで今ひとつ感動出来ないというのが正直な所。原作を読んで気に入っている方は買いかもしれませんが、アニメを楽しもうという方は許せるギリギリの範囲かもしれません。
評価としては、
内容 :4
演出 :2
キャラ:3
ってことで星三つです。
かずといずみさんの代表作です。
ぱっと見た目、萌え系のようですが、それだけでは収まらないハートフルな内容です。
母は死別、父は蒸発のため、オンボロアパートに住む姉妹。
姉の中学生「きょう」と、小学生の「あす」の二人を中心とした物語です。
少し未来の話で、中学生でもバイト可能となった世界。
中学生のきょうは、生活費新聞配達等で生活費を稼ぐ毎日。
でも、これって昔の日本でも決して珍しくなかったのではないでしょうか。
裕福ではない、はっきり言って貧乏な姉妹。
だからこそ、ちょっとした出来事にでも小さな幸福を共有することができる…
アニメ化されたのもなんとなくわかるような気がします。
見た目のかわいらしさから手に取ったとしても、その内容の良さに2倍お得な感じです。
貧乏姉妹のハートフルストーリーもこの巻で終了となります。
4巻よりも3巻の方が、物語の核心に触れたところが多かった感じがしますし、もう少しいろんなエピソードを盛り込んでほしかった気がしますが、これはこれでよかったのかもしれません。
蒸発した父親が、本当に家を出た理由も明らかになり、その上で「きょう」と「あす」の姉妹は、それこそ「今日より明日へ」といった前向きな生き方を見せてくれます。
アニメ版ではどのようになっているか、気になります。
この21世紀に昭和の香り漂う人情ものとは何とも時代錯誤!と視聴を控えていました。が、感動しました、ほぼ毎話、泣かされました。
二人の姉妹がほんとうに気持ちがまっすぐで、互いを思いやる心に溢れた女の子です。彼女たちの存在や振る舞いで、大家さんやお隣の住人、商店街のみんな、越後屋姉妹など周囲の人たちが優しくなれるのと同時に、視聴者である私たちをピュアで清々しい気持ちにさせてくれます。
メインの声優二人は大好きでした。姉「きょう」役の坂本真綾のクールさと妹「あす」役の金田朋子の幼児性がうまく噛み合うのか少し気になりましたが、余計な心配でした。坂本真綾には妹を気づかう芯の強さ、金田朋子には姉を支える健気さが出ていて、コンビのバランスが見事です。特典のCDで、ますます二人のファンになりました。
「きょう」と「あす」の涙とともに笑顔がとても印象に残る、大切にしたいアニメです。
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