安倍吉俊さんの特集号です。
膨大な安倍吉俊さんへのインタビューや、予備校・大学時代の作品(カラー)、「アフタヌーン」でのでの四季賞受賞作品などが収録されており、「よくぞこれだけの素材を集めた!」と言いたくなる、満足のボリュームです。
安倍吉俊さんのファンなら持っておきたい一冊だと思います。
3枚組DVD。 解説本みたいなものは無し。 アニメ作品のカタログ冊子付き。 画は粗い、音は良い。 3枚目のディスクのおまけは ・作中の絵日記に大人の雰囲気のスペシャルエンディング曲 ・文字抜きのオープニング、エンドロール ・キャラクター、小物の資料静止画(数は少ない) ・予告アニメ(脱力した出来の3D風)
天使の出来損ないのような灰羽という少女少年達のふれあいと社会とのつながりを温かいまなざしで描いています。 ストーリー全体的に何となく宗教、キリスト教あるいは仏教の影響を思わせる。 宗教は抜きにしても、この生きにくく息苦しい社会で成長していく上で大切なことに触れている示唆に富んだ作品。 内容はちょっと小学生以下には難しいかも知れません。 主に物語の世界観、登場人物を説明する前半は、あたたかくのんびりと幸せな様子で、やや平坦で眠くなるかも知れない。 時計塔の鐘の音が効果的な後半は一転、ある出来事をきっかけに憂鬱なまでに息が詰まるような展開を見せる。一見のどかで平和な物語の不思議な世界の謎、闇の部分が出てきます。 それまで静かに語られてきた物語の最終話は、これはもう圧巻です。絵も素晴らしい出来映え。 映像作品として、アニメも含めて邦画のなかでは最高の出来映え、と自信を持って星5つ。
後半の主人公レキは相反する2つの気持ちで揺らいでいます。
ラッカを祝福する気持ちと嫉妬する気持ちと。
私も周囲の人に同じような相反する気持ちを抱くことが多くあります。
そんな自分自身を後ろめたく感じ、ダメな人間なのだと落ち込みます。
当時灰羽を見て、
まるで自分が全てを知ったラッカに受け入れられている思いがしました。
もう地上波で灰羽をみてから10年近く経ちました。
最近では日常に追われ、相反する気持ちに慣れ、後ろめたさなど意識しません。
人のことを考えない行動をとったり、辛くあったたりすることもあります。
それに気付いた時は灰羽と自分の罪を思い出して、
いつかラッカのように人を受け入れる立場になりたいと思うのです。
伏線が回収されていないという批評も見かけますが、
回収しないことで死の謎性(こんな言葉はありませんが)を印象付けています。
私はそれを逆にリアルに感じました。
回収されなくて良かったという稀な作品ではないでしょうか。
今回のBD化にあたり、NAVIやWeb携帯、異形メカがどのように映るかが興味津々だった SFを扱った作品では、当時最先端だったものが長い時間を経て視ると時代遅れに感じられたりするからだ。 しかしこの作品のそれらは未だ妖しく、時にはエロティックにすら描写されていて驚いた プロダクションデザインの賜だろう。デザインの優れた作品は色褪せない
嫌な目や怖い目にあっても玲音を慕い見守り続けるありすが健気だ。良い母親になっているだろう
タイトルではそう書きましたが、
好きになれるかどうかは人それぞれ、
かなり人を選ぶ作品であることは確かです。
主人公は突然異世界のような場所にあるオールドホームで「生まれ」、
多くの疑問を持ちながらもそこで暮らす灰羽たちに暖かくむかえられます。
今までとは違う別の世界を目の当たりにし、
抱いた疑問を解き明かそうとする主人公ですが、
やがてたどり着く核心についてはかなり示唆的な描かれ方に抑えられています。
口で説明するのは野暮、と言っているようでもありました。
この世界はどこなのか、
自分たちは何者なのか、
そしてこれからどこへ向かうのか。
さまざまなことが、口頭ではそれほど説明されず、
あくまで描写・演出に留めておくって感じでしょうか。
あえて登場人物に焦点を絞り込んで
その葛藤を描き切ったことにこの作品の魅力があり、
視聴者もそこに集中することで初めて、
この作品を覆うベールが剥がされていく仕組みになっていると思います。
分かる人にしか分からない、というやや排他的な側面を持ったアニメかもしれません。
しかし長いあいだ心に残り続け、生きていく力を与えてくれる宝物になり得る、
そんな可能性を秘めた作品だと思います。
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