70年後半から80年代は、自分にとってどストライクな時代なのにニューミュージックと馬鹿にして聞いてませんでした。 当時は洋楽を聴くのが一般的な風潮でした。おっさんになって何故かハマり、このガイドを参考にCD収集を続けています。
ドランクドラゴンの塚地さんが好きで、劇場まで「間宮兄弟」を観に行って感動し、DVDを買ってもう一度観ては感動してしまいました。 最近、初めてブルーレイレコーダーを購入したので、初めて購入するブルーレイは、やはりずっと観続けている大好きな「間宮兄弟」に決めました。
徹信(塚地さん)が辛い時、夕暮れの新幹線操作場を眺めて、泣いている場面が、哀愁があって、情景も美しく、何度観ても見惚れてしまい、明信(佐々木さん)とも、本当の兄弟みたいに仲が良く微笑ましく演じられていて、好感が持てます。
DVDだと暗くて見えなかった街の景色とかも、ブルーレイだと細かい色のコントラストまで見えるかのように、液晶の大画面で確認できました。 内容なDVD初回限定版と同じなのですが、大好きな作品ですので、ブルーレイでも購入した甲斐がありました。
カッコよくて、彼女にモテて、恋愛が成就する主人公を演じる男前の役者はたくさんいらっしゃいますが、不器用だけれど、人柄の温かさや優しさが感じられて、不器用に振られる場面も含めて本当の意味でかっこいい男性は、塚地さんにしか演じられないと思い、尊敬しています。
森田芳光の、久しぶりに好感の持てる新作は、既に評されているように、何よりもまず、彼のデビュー作の「の、ようなもの」を想起させる。80年代、自ら、流行監督宣言し、独特の人間描写と浮遊感覚、そして、クールでありながらオフ・ビートな笑いも併せもったタッチで、ポスト・モダン派の寵児と呼ばれた森田だが、当時の代表作の「家族ゲーム」や「それから」を例に挙げるまでもなく、一連の作品群の根底に研ぎ澄まされた冷たさと鋭さを感じていた者にとって、今作の持つ、意外なほどにほんわかと暖かいそのムードに驚かされる。本当に子供がそのまま擦れることなく大人になってしまったような間宮兄弟。生活サイクルといい、風采といい、一見、キモさ全開で、思いっきり引いてしまいそうなその日常ぶりだが、彼らの妙に生真面目で心優しくナイーブなキャラが、心の琴線に触れて、不思議と心地良いのだ。今の時代って、逃げ込めるスペースをどこかに持っていないとツライからね。劇中、「間宮ではなく、正に、マニア兄弟だね」と揶揄される彼らの嗜好も、例えば、フィギィアはアニメキャラではなくレア・シューズ、ゲームもパソコンではなくボード盤、他にも、紙ヒコーキ折りに温泉、スコアブックの書き込み(笑)と、デジタルではなく、とことんアナログ的な懐かしさ、彼らの本棚に並んでいる蔵書がどんな類のモノなのか何とも気になる(笑)。佐々木&塚地コンビの掛け合いと間が絶妙。塚地、そんなに卑下しなくても、もう少し、女性への接し方改めたら絶対モテるよ。さて、佐々木の“反省会しよう”との甘い囁きに誘われて、今作もまた、何度も観てしまうんだろうな。
まず、30歳を超えても、寝るときも休日も仲良く一緒って兄弟を、キモく無く純粋な少年のように描き、体型・容姿が全然異なる佐々木蔵之助・塚地武雅を本当の兄弟のように思わせてゆく脚本と演出は素晴らしいです。
森田監督のセルフオマージュとも言える、「家族ゲーム」の食卓シーンを連想させる皆で並んで線香花火をするシーンとか、自転車のシーンに東京名所のナレーションがかぶさるシーンは、まさに「の・ようなもの」です。(笑)
洗濯機の中で洗濯物が回るシーンとか、河原の土手や銭湯のシーンでの何パターンかの見せ方や演出も面白かった。『塩むすび』は本当に美味そうだったし、兄がビール弟が牛乳を飲むシーンは笑いを誘うけど、これも美味そうそうだったね。
そんなこんなで、ずーっとどうでもいいエピソードと小ネタを積み重ね、ダレるかダレないか絶妙のタイミングで、笑いをさそうネタを入れる。
ヒロインを演じた常盤貴子、沢尻エリカもまた、可憐にして、どこか普通っぽい女性を好演。特に、常盤貴子なんてメガネ美人ながら、オバサン風味が入りつつある小学校教師ぶりがとってもよかった。また、兄弟の母親役の中島みゆきが作品全体にほのぼのと暖かな雰囲気を醸し出している。この映画は、兄弟愛を描くと同時に、家族愛の物語でもあるから彼女の起用は大成功と言っていいです。
結局、『間宮兄弟』は、やっぱり『間宮兄弟』のままで、成長もなければ後退もない。「何も変わらない事の幸せ」を噛み締める、という感じなのかな。いろいろあったけど、何も変わらない。でも、今までだって幸せだったから別にいいじゃないか、と自己完結してる。(笑) 何となくほんわかした優しい気持ちになれますよ。(笑)
のんびり平和な気分のなれるので楽しめます。
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