この巻から立石さんの髪型が変わり、山岸くんとの恋愛度が上昇してきます。そしてトラブルメーカーである八千華の登場と見所の多い巻です。しかし一番の見所は九段先生の過去と深い関わりを持つ峠弥勒でしょうか。そしてそのエピソード中に、黒い天使なるあの人物が登場!高橋葉介ファンには見逃せませんね。彼と九段先生の関係も注目です。
この本には1981年〜1982年に発表された「夢幻紳士」の第一作が収録されています。
怪奇・幻想・風刺・ギャグが効いていてとてもテンポが良いです。
昭和初期の東京が舞台でノスタルジックな雰囲気が楽しめます。
同時収録は「クレイジーピエロ」「義眼物語」「顔がない」「腸詰工場の少女」「骨笛」「魔女の右腕」 です。
高橋葉介を初めて読む方にはオススメの一冊
ただ一つ難があり紙質があまり良くありません。出来れば朝日ソノラマ時代のデュオセレクション版並の丈夫で長持ちする紙を使って欲しかったです。
まあ内容はかなり充実しているので★は5を付けます。
レビューを読んで、久しぶりに高橋センセイの本を買いました。 お懐かしやのキャラクターもそこここに登場し、ファンには嬉しい演出。 そして他の方も書いておられるのですが、なんとなく先が読めるストーリー展開。 が、これがこの作品の魅力のひとつであると私は考えます。
夢幻紳士などのシリーズにもよく現れる手法ですが、既視感のあるモチーフや、往年の映画などで多様された演出が、それとわかるように使われている。 パロディと言えばよいのかな… そうやって読者に先が読める仕掛けをわざとしておいて、それをひっくり返したりするのも高橋センセイのお得意です。(これは特に小さい方の魔実也とか) パロディ、けれん味、マンネリズム…通常よしとされにくいものだけど、高橋センセイの軽やかなセンスとテクニックで見事な一級の作品に仕上がっていると思います。 そして大きい方の魔実也が出て来るようなシリアスな世界でも、このテクニックは駆使されています。 ホラー映画へのオマージュや過去の自分の作品をマッシュアップしたような表現があったり。
このマンネリはむしろ私の好むところでもあります。 「待ってました!」なんて声をかけたくなる。歌舞伎の大向うさんみたいに。
この本も、大好きな歌舞伎の演目を見に来たようなワクワクした気分で読めました。 つまり予めストーリーなどは織り込み済みでも、演技の達者や、胸のすくような演出をぞんぶんに味わう。 読み終わった時、期待した作品を味わいつくして満足のため息とともに本を閉じました。 ラストページの嬉しいプレゼントを受け取って尚更に。 そして更に洗練され磨きをかけられた高橋作品最新刊は、もはや匠の技の冴え、といえるものを感じました。
ま、理屈はどうでもいいんです。 「顔のない女」好きだ!
ホラー漫画初心者なので、いろいろ読んでみたいと思い、購入しました。
諸星大二郎(妖怪ハンターは読みました☆)からはじまり、押切蓮介、五十嵐大介、中山昌亮(不安の種シリーズ読みました☆)、伊藤三巳華でちょいブレイク。
さあ後半はどう楽しませてくれるのか…と期待してページをめくると、だんだんパワーダウン。
著名な作家陣が企画で描いちゃいました的な作品が多く、がっくり。
花輪和一は漫画風の画集、摩耶峰夫は漫画風ライトノベルだし(笑)
でもファンの人には嬉しい一冊なんだろうな、きっと…
マニアにはたまらない、ハヤカワミステリマガジン版夢幻紳士第二弾。夢幻紳士こと夢幻魔実也には2バージョンがある。帝都の少年探偵であるギャグっぽいバージョン(「冒険編」やマンガ少年版)と、この「逢魔篇」のような不思議な力を持った青年バージョンであり、青年バージョンは著者の他の作品にもゲストでちょいちょい顔を出す。
特にこのハヤカワミステリマガジン版の夢幻魔実也は、青年バージョンの魅力が満載であり、筆で描いているという独特の絵のタッチと幻想と怪奇にあふれる話が、まるで明治の純文学のような雰囲気を醸し出している。この雰囲気に浸れる人には、この上なく満足な作品である。幻想文学や怪奇ものが好きなのに、高橋葉介を知らない、等という人がもしいたら、今すぐ買って読むべきだろう。前著の「幻想編」と続き物になっているので、そちらも読むこと。
いい大人が、自信を持って「好きだ」と言える数少ない漫画に違いない。
…なお、「冒険編」も文庫として同時発売されたので、この機会にそちらも買って、異なる夢幻魔実也を楽しむのもオススメ。
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