本作は、動脈列島とほぼ同時期に公開され、しかも最初海外(多分フランスだったと思う。)で話題となり、それがが逆輸入の形で、日本でもヒットしたような記憶がある。間違っていたらごめんなさい。
動脈列島は、公開時に見ていますが、本作は、今回が初見です。
本作は、配給会社、もしくは、監督の違いか判りませんが、動脈列島がスピードとアクションで見せるのに対し、公害と人間性に重点をおいたドラマになっています。しかし、アクションもあり、スリルとサスペンスもあり、充分楽しめます。近藤 正臣、好演です。関根 恵子、若い。梶 芽衣子、田宮 二郎、懐かしい。
とにかく、騙されたと思って、ぜひ見てください。
本書は京都産業大学の創設について書かれたものです。主人公の千田は鳥取の倉吉北高校を創設した小野良介で、初代学長の天野は天文学者の荒木俊馬がモデルとなっています。京都産業大学は現在では多くの学生を抱える総合大学ですが、その大学の産みの苦しみが非常にリアルに描かれています。そして夢でしかなかった大学か形となって現われて来るに従って出てくる人間のエゴや欲望についても。 本書を読んだあと京都産業大学のHPをみて愕然としたのは、創設者「荒木俊馬」についての功績や人物紹介に多くのページが割かれていることです。しかしその中に小野良介という文字は全く出てきません。「虚構」という文字が示すように、本書によってはじめて京産大の本当の歴史が明るみに出たのではないでしょうか。
若い世代にはピンとこないと思いますが、40代以降の人間にとって「日活ロマンポルノ」という言葉を聞くと、何だか甘酸っぱいものを感じざるをえません(笑)。1971年に白川和子の「団地妻シリーズ」を皮切りにおびただしい数の作品が生まれましたが、なかでも作品性が高いと言われているのが「女教師シリーズ」でこの作品が第1弾です。
永島暎子はいまでもテレビドラマで脇を固める女優ですが、一躍名前が知られるようになったのが1977年公開の本作品です。何とも悲しげな表情をたたえつつ、これでもかと不幸に祟られる「M的演技」は彼女の専売特許です。この作品でデビューの故・古尾谷雅人(当時の芸名は康雅)が悪の限りを尽くす不良中学生役として出ています。ほか、ロマンポルノの常連、江沢萌子のほか、樹木希林、久米明、穂積隆信、蟹江敬三などけっこう豪華な共演陣です。
作品としては確かにロマンポルノなのですが、情交シーンにしてもビールや砂などをモチーフ的に使うあたりは日活の映画マンのプライドを見る思いです。1960年代後半の新東宝をはじめとした「ピンク映画」ではスタッフの人数がせいぜい5、6人だったのに対し、日活では一般映画と変わらない最低20名単位で撮影に臨んでいたとか。AV世代にとっては何とも「もどかしい内容」ですが、当時の時代背景を含めてご覧になっていただきたいと思います。
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