日常の足として使う電車として、
JR中央線・京王線のムック本や関連の資料本は、
電車好きともあって、大抵購入しきちんと隅々まで読むタイプです。
約100ページにわたる京王線の歴史は、
京王電鉄としての電車のみならず、路線・高速バスまでも
網羅してしてあり、「単なる電車だけの京王でない!!」と、
印象つけるムック本でした。
昨年他界した荻原二郎氏撮影の、戦前からの京王沿線の姿に
東京多摩地区(南西部)の歴史の移り変わりが、
如何に戦後の高度経済成長と共に大きく移り変わったのかを象徴する
鉄道だと感じ取られました。
京王電鉄って、昭和から平成にかけて様々な変貌を遂げたから、
このムック本は一種の歴史書として読むのもいいかもしれません。
個人的には、三好好三著
京王線・井の頭線 昭和の記憶 〜新都心
新宿・
渋谷と多摩・相模の街を結ぶ都市派ライナーの多様な軌跡〜
と、一緒に併せて読んでいただけると、より面白いかと思います。
京王電鉄の魅力を満載した、「完全データ」の名に恥じぬDVD付きムック。ムックは、巻頭の持田昭俊氏の写真が見事であり、この路線の魅力を雄弁に伝えている。個人的な思い出を記すと、京王線沿線に住んでいた四年間は、わたくしの人生で最大の激動期と重なるため(因みに、初めの何年間かは、5000系が現役だった)、ページを捲っていると、当時の出来事が頭の中を走馬灯のように駆け巡った。
DVDには、
新宿・高尾山口間の運転席展望の他、おまけの映像として、高尾山口・高幡不動間の車掌室展望も収められている。三年前に出た同じシリーズの小田急のDVDでは、7000形の海老名・小田原間の展望席展望のノイズの大きさに辟易したが、今回はそれもなく、楽しく鑑賞できる。車内放送がないという指摘は明らかな誤りで、通常の音声環境であれば、あまり大きくないながらも聞こえる。若葉台工場内で行われている車両保守の貴重な映像を見ていると、電車を安全に走らせるために、人目に付かないところで如何に多くの努力が払われているかということを思い知らされ、鉄道会社への敬意を自ずと催さずにいられない。画質にはやや不満が残るものの、買い得感からすれば、許容範囲に留まると言えよう。調布駅の前後が地下化されたことは勿論知っていたものの、朝夕のラッシュ時には、よく接触事故や転落事故が起きないものだと常にハラハラさせられていたあの駅が、幅の広い真新しい駅へと生まれ変わった様を見ていると、今さらながらに隔世の感が湧き起こった。