作品の
タイトルに引かれてDownloadしましたが、野球を知らない女性の勘違いでしたネ?
この作品は、1982年(昭和57年)に書かれたものですが、プロ野球の将来に対する
思い入れが感じられ、的中している部分があるのには驚かされます。
2004年には日ハムが札幌に本拠地を移し、2005年には楽天が仙台に本拠地を構えています。
秋田にもプロ野球チームの本拠地を構えると予測していますが、実業団のTDKが都市対抗で優勝しています。
もう一つの候補地として高松を想定していますが、
四国には、どうしてプロ野球チームができないのか不思議です。
四県とも外向きに海しか見ていないのでしょうか?内向きのまとまりが感じられません。
コミッショナーの思いが展開されていく過程には、様々なドラマが描かれていますが、
作者の思いも伝わり、プロ野球ファンにはお勧めです。
思春期の頃,年上の女性に密かに寄せた淡い恋心。亡くして初めて知る父親の一面。片やトレードに出されたベテラン・プロ野球選手,片やリストラ進行中の会社に務める中堅会社員という岐路に立たされた2人の男の心境。輝かしい成績を残しながら家族愛のために突如プロ球界を去った男のその後。
野球をモチーフに,男なら誰でも経験するであろうほろ苦い思い出,挫折,郷愁などをさわやかに描いた短編集(5編のうち野球の描写が全くないものが1編ある)。素朴だが,素直に共感し胸に染みる傑作。
最近,ファンの意向を無視してプロ野球の枠組みを勝手に決めようとする傍若無人なプロ球団経営者がいるが,そんな人にこそ,この作品を読んで欲しいもの。プロ野球選手に憧れ,ただ無心に白球を追いかけた少年時代は誰にだってあったはずだし,そんな純粋な子供の夢はついえても,野球を愛する気持ちは大人になっても忘れない人が世の中にはたくさんいるはず。そうした人々が支えてきたのが今の日本プロ野球だと思うのだが・・・。こんな夢も希望もない殺伐とした世の中だからこそ,かえってまぶしく感じられる作品だ。
収録されている「一塁手の生還」は私の中学の教科書に載っていたものでした。その続編「白壁」も収録されています。短編ひとつひとつから著者の野球への愛情が感じられ、薄い本なのですが、すごい重みがあります。また、印象に残る言葉もたくさんありました。野球が好きで感動を味わいたい人にはオススメです。