シリーズの二作目.
96年12月の初文庫化から
06年11月の復刊を経て,二度目の復刊となり,
本巻では
07年のテレビアニメ化から,会話部分にいくつかの修正が入っているとのことです.
三人目となるガールが登場,おとなしい優等生で先輩二人とはまるで違うタイプなのですが,
それでも芯の強さは同じで,それを彼女らしいやり方で見せてくれるのがまずは楽しみどころ.
また,彼女たちの居る場所やものが,多くの人たちと長い年月の結果に成り立っており,
さらにそこから膨大な時間が必要という,宇宙が舞台ならではのやり取りがとても重たく,
それを理解し,共感できる彼女だからこそ,最後に見せる感情の爆発は強く印象に残ります.
そして,たどり着いた景色とあふれる思いは,それが見えないこちらにも伝わり胸を打ちます.
このほか,トラブルに陥る中,地上でも宇宙でもプロフェッショナルの魂が燃えたぎる中,
慎重を恥じるな,勇気は必要ではないという言葉が,強引な展開もある作品ではありますが,
それだけで終わらず,宇宙での生死と恐怖をきわめてシンプルに伝えているようで印象的です.
ただ,クライマックスが「なんやかんやで無事生還」曖昧になってしまったのには残念で,
状況も原因(?)も,冒頭をなぞる『天丼オチ』というのは素直におもしろかったのですが,
もう一押し,特にこの巻では脇に回りがちだった主人公の見せ場があってもよかったような….
前置きのない始まりからのトラブル発生と,冒頭から中に入りやすいのは良いものの,
これ以降,宇宙へと飛び立つあたりまでは,訓練風景もそれほど深くは描かれておらず,
感情移入や話の積み重ねという点では,これまでの巻より物足りなさが残ってしまいます.
また,主人公の勝ち気な性格が,鼻についてしまう場面が
前の巻あたりから目立ち出し,
このほか,ガール二人が似ているという展開も,語られるほど効いてこなかったのも残念.
とはいえ,冒頭で起きたドタバタが伏線として絡むなど,宇宙に出てからは盛り返し,
希望から一転する絶望,それまでからは想像もつかない主人公の様子は生々しさを伝え,
そこから正に二人三脚となる大脱出は,緊張と興奮のクライマックスに繋がっていきます.
何より,何も無い月面に思いをはせる少女の姿は,ともにその先を願わずにはいられません.
なお,本書は
99年08月に初文庫化,
07年01月に続き,今回が二度目の復刊となっています.
と、コメディ
タッチでテンポ良く描かれているアニメです。
内容は主人公の素人女子高生と、その妹の島の住民少女と、貧弱だけど秀才の主人公の後輩女子高生がわずか数ヶ月で
NASAエリートパイロットと共存作業する領域まで一気に到達してしまう話しです。
現実では到底有り得えないことが出来るのがアニメです。
気楽に楽しんでくださいな。