今年読んだ本の中で、恐らく最もヘンな本です。ヘンと云っても、否定的でなく、「どうしたらこういうテイストになるんだろ」という、とっても不思議な本です。
「芝刈天神前
風土記」とある通り、「地場産業」「交通手段」「裏社会」「植生」「隠れた名店」「環境衛生」「風俗、若しくは芸能、若しくは別の何か」「歴史」というサブ
タイトルが付けられた、「芝刈天神前」についての様々な短編によって構成されているのですが、ほんとうに「著者の頭の中って、そして言語感覚ってオカしいなぁ」(誉め言葉)と思える作品です。
「ミステリマガジン」「SFマガジン」掲載の短編が元になっていますが、はっきり云って、
「ミステリ」「SF」では括れません。というより、括りたくても括れないような不思議な品。感覚が新鮮なだけでなく、パロディあり、駄洒落あり、ギャグあり、兎に角楽しいです。
しかし、あまりのおかしさに、私の言葉などでは内容を語れず、それが残念!本の後ろの紹介文を読んでも全くぱっとできませんでしたし。しかし、それぞれの
タイトルだけでも、そのおかしさの一端が見えるのではないかと思いますので以下、掲載。「バフ熱」「蚯蚓、赤ん坊、あるいは砂糖水の沼」「隠密行動」「若松岩松教授のかくも驚くべき冒険」「飛び小母さん」「愛の陥穽」「トップレス獅子舞考」「闇鍋奉行」。
というわけで、この
タイトルで読みたくなった方は、是非どうぞ。