※長くなります。
グルーブ系音楽で“聴く”CDっていうのは結構少ないかもしれませんね。大抵は“流す”になりがちな系統の音楽なので。 正直、流しでもいけないこともありませんが、ラリーのCDをよく買う人の中には、彼が奏でる独特の、「音」、「フレーズ」を聞きたいから買うという人がいると思うのですが、僕もその内の一人なので、そうなると、坦々とグルーブするこのCDに詰まった、彼の奏でる音を一音も聞き逃すまいとヘッドフォンつけてしかと聴き入ってしまうことになります(どんな音楽になろうと彼の“音”っていうのは健在なようで、今作でもしっかりと魅了してくれます)。
それで、このアルバムですが、グルーブ感の非常に強い内容となっているため、「Deep Into It」のような作品をしっかりと聴ける集中力をお持ちではない方にはお勧めできません。 加えて、ラリーのCDは、彼が作り出すキャッチーでオリジナリティ溢れた楽曲を聞きたくて買っているという方々(まあ自分も、こちら側にも属しているんですが;)にもお勧めできません。 というのもこの作品の楽曲、テーマらしきものが存在しませんので。。。
また、この作品は、前作同様ホーン
セッション(4管)が加わっているのですが、前作のようにブリブリ鳴りまくってファンキー! っていう内容ではありません。それは、11曲中、ホーン
セッションが参加している楽曲は6曲だけであり、またそのうち一曲は、曲中、ホーン
セッションの内、99%
トランペットしか参加していないような曲もあるからなのですが、でもその曲は良くできていますよ。 胸の深い所に染み渡っていく感じですかね。 とても心地が良いです。 ロック色が強いって噂があったアルバムですが、こんな感じで、染みる~って曲もいくつかありますね。 トータルで言えばバランスよく収録されていて、どっちかに転びすぎる事はない仕上がりとなっています。
結果としては、ラリーという人は、本当に色んな事ができるギタリストなんだな、と感心させられたアルバムですね。 正に、ラリー=スムース畑のギタリスト という誤解を払拭したいとする、彼の目的は果たされたということでしょうか。
ついでなんですが一応って事で・・・ギターは3本使っていて、ES-335と、1957年製レス・ポール・スペシャルと、あと1曲にだけアコギを使っています。