良いのではないでしょうか!
ここ数年の先生の作は御手洗モノ以外は面白く、御手洗モノにはがっかりさせられることが多かったのですが、久しぶりに純粋に楽しめました。
正直、御手洗モノに先生は縛られているように思い、先生の真価を発揮できるのはもはや御手洗モノではないと思っていました。
御手洗情報誌に過ぎない内容になるのであれば、新作は必要ないと思っていたのですが…。
私の心得違いだったようです。
登場人物の情動を物語としての感動に帰着させることは出来ていたとは正直言いかねますが、展開やエピソードに瑕疵がないとは言えませんが、もともと豪腕といわれた作風の方です。多少の瑕はものともしない魅力こそが先生の持ち味。しかも豪腕にやわらかさが加わっているように思えました。
ここ数年の作のように主観的盛り上がりで終わっているような印象もなく、楽しんで読めました。
上下二冊を力ませずさらりと読ませる筆力はさすがです。
最後の石岡君の独白に、意味深なものを感じて少し寂しくなったりもしますが。
それはそれとして、昔からのファンとしては新幹線で去る御手洗と石岡君に【
占星術】を思い出したりして。
もどかしいようにしてページを捲った【
写楽】には敵わないと個人的には思っていますが、初期のような軽やかな文体の冒険に、【御手洗】を楽しまれている先生の若さを感じて、わくわく。
まだまだこれからなのですね!
御作の中でも故郷に錦を飾られたわけですが、そこからまた進まれるのが新たなるスタートと思い、期待いたします。
又新作が楽しみになりました。
[ ※2012.1.20に投稿したDISCASレビューを転載または一部編集した ]
四人の少女全員均等に焦点をあてたシナリオはよくできてる。舞台劇が好きな人なら満足度は高いだろう。それぞれ傷を抱えた同志的友情は深度が感じられた。ミステリーが加味されているが、舞台劇ぽく捉えると友情を炙り出す方向でよく効いている。劇中劇も結構興味を惹きつける力があるし、ライターはそちらが本職じゃないのかな。
主役クラスの
成海璃子は、本作と「武士道シックスティーン」しか観てないせいか、演技傾向が
鈴木杏とかぶる。すべり気味すれすれの熱演はコメディ
タッチでおもしろい。
忽那汐里は徐々に巧くなっているのが感じられて嬉しいね。終盤のブランコシーンや謎解きシーンなど、好きだからか余計よく見えた。
森田彩華は一見屈託無く見えて陰のある男前少女を上手に演じていた。四人の中で三つか四つは年長だし一番巧かったかな。ヘアスタイルなど一時期の
上戸彩(オスカーの先輩後輩関係でドラマでも何度か共演してる)を意識してるのかなとつい思ってしまう。
(端役じゃなく)メインの役を演ずる草刈麻有は初めて観たが好い役をもらったね。可愛いだけじゃないんだ。お父さんより巧くなりそう(爆)
※レーティングは、A+,A,A->B+,B,B->C+,C,C- の9段階。