沈滞していた学部の変革は、10年、20年がかりであったこと、その蔭にあった教授陣の間断なき挑戦の姿に、大変に感銘を受けた。変革に立ち上がった教授たちの開かれた心、そしてその姿勢に触発を受け全力で学ぶ学生の姿は、感動的だ。真剣に学ぶこと、自身の成長を実感することが楽しすぎて、寝る間も惜しんで勉学に挑戦するという経験は学生の特権だから、そんなエキサイティングな学生生活を求める学生、そんな教育環境をつくりたい教育者には、是非読んで頂きたい。
私は人が自分の血で書いたものしか読まない、という言葉を思い出した。ようやくまともな本に出会えました。人というものは、地獄の底迄堕ちないと掴めない物があると、教えて頂きました。感謝致します。
早く続きが出ないかと日々チェックしてます。心に傷を持つ元女医が開く住宅街にある喫茶店はたくさんの住民(女性)の心のよりどころとなっていて私もこういうお店があったら行ってみたい!!と思わせるお店です。読んでいて涙脆い私はよく泣きます。ストレス解消にもなりますし、人生の考え方のヒントになる事も!!冒頭に書きましたが、早く続きが読みたいです♪♪
フランス精神分析学会副会長である著者の代表作で、「皮膚」の重要性を以前から唱えてきた著者の主張が凝縮された書です。ただし、精神分析学発展史で「皮膚」に関して最も重要な貢献を果たしたザドガー博士の研究成果(特に「皮膚性愛」に関するもの)を無視するなどいくつかの点で(客観的に見ると)不満が残る書だと言わなければなりません。それ以上に問題なのは、本書は数多くの症例報告に全編のかなりの部分を費やしているので、結果的に肝心の「皮膚・自我」理論の<部分>ばかりが提示され、<全体>が最後まで見えないという点です。結局、本書は「未完の書」止まりであり、読む側には理論的な追加が要求されるというのが事実だと思います。
アレクサンダー大王についての本。ビジュアル資料が豊富なのが特徴である。著者はトゥールズ第2大学古代史学教授。
ペルシャとギリシャとの長年の確執。BC359年にフィリッポス2世が王位につき、ギリシャの有力国家にのし上がったマケドニア。しかし、336年に王は暗殺され、息子である20歳のアレクサンダーが王になる。父が立てた遠征の計画を引き継ぎ、各地に進軍を開始する若き王。グラニコスの戦い(BC334)。イッソスの戦い(BC333)。エジプトのペルシオンへ到着(BC332)。ガウガメラの戦い(BC331)。スサで得た莫大な財宝。相次ぐ反乱と鎮圧。インドへの進軍。ペルシャ人の登用とマケドニア人側近たちの反発。死去(BC323)。後継者達の争い。
意外に面白く読めたのは、最後の資料編、特に「アレクサンダーを描いた歴史家」「アレクサンダーと近代植民地主義」といった部分。この後半部分は白黒なので、前半部分に比べると見栄えは良くないが、この大王がヨーロッパの歴史でどのように位置づけられてきたかがうかがえるからだ。アレクサンダーはヨーロッパの歴史では間違いなく大英雄であり長く賞賛され続けてきており、本書に数多く掲載されている中世に描かれた絵画も、それだけこの王が西洋史の中で人々に注目される存在だった証拠だという見方ができる。ただし、それゆえに、尾ひれがついたり捏造されたりして信頼性の高い資料はかえって少なく、石碑に刻まれた碑文だけが唯一の真正の資料といえるようだ。また、19世紀のヨーロッパにおいてアジアを征服して各地にヘレニズム文化をもたらしたこの大王の業績が授業で積極的に取り上げられるようになった背景には、当時のヨーロッパの植民地主義があったことを指摘している点は考えさせられた。
|