恋愛関係にも依存関係にもなく、互恵関係にある小鳩くんと小佐内さん、そんな彼らが小市民を目指す、コミカルな探偵物語、です。全体的に良い印象でした。苦い青春と日常の謎ミステリとの交わりがなんとも。 プロローグで明かされますが、小鳩くんは頭が切れるがゆえに苦しむタイプの探偵?です。このような探偵も時々見かけますが、この作品は日常の謎を厚かった作品なので、余計コミカルな感じがしました。 短編連作という形で話は進みます。その中で、三作目にあたる「おいしいココアの作り方」は、ミステリとして非常に良く出来ているものだと思いました。日常の謎の魅力から、推理の過程まで、本当によく出来ています。 また、二作目「For your eyes only」は、謎の真相自体は単純で、直感で気付いてしまう人もいるだろうと思いますが、最後の三行が気に入りました。 四作目「はらふくるるわざ」でだんだんと物語の全層が見えてきて、最後の「狐狼の心」では、各短編にさりげなく散りばめられた伏線が一気に収束します。ここがお見事というか、そうなりますか、って思いました。 小佐内さんがこれまた……、作品をすでに読んだ方は、彼女の魅力にやられたのではないでしょうか? 僕もその一人です。 最後にエピローグがあります。この作品は、一応は完成していますが、どうも続編があるらしく、続編を読ませるには充分すぎるほど先が気になります。 解説の方もおっしゃってますが、小佐内さんの過去が知りたい! 続編に期待しています。
ネットで知って直ぐに原作とこれを買いましたがコミック化としてはまずまずでしょう漫画の流れはアニメと同じのようで原作にあった細かいシーンはカットされていたしアニメにあった千反田や掲示板の幻想的シーンは無しでした。個人的に折木みたいなヤツは嫌いなキャラでもう少し影のある高校生なら良しなんだけど、まぁ 続きがとても気になる作品ではありました。
アニメ化で評判になっていたのと電子書籍というものに興味があったので スマホにKindleアプリを入れて1巻の『氷菓』とともにKindle版を購入しました。
結論から言いますと、建物の見取り図を見ながら展開するような密室ミステリは 電子書籍ではかなりムリ!ということです。
紙の本では気軽にできる、前のページにある図面や登場人物が動く事件部分を こまめにチェックしながら本編を読み進める、という方法が電子書籍では難しいのです 不可能ではありませんがかなり手間がかかり、実際ムリでした。
じゃあどうしたのかというと、所有していたAndroidのタブレットPCにもKindleアプリを インストールし、こちらの端末で図面や前のページを確認しながらスマホで読み進めました、 すごい無駄。
電子書籍で密室ミステリはハードルが高いと思いました。
あ、謎解き部分を自力で解くことに興味がなく、青春群像劇として読みたいという方には まったく問題無いと思います、いい作品ですよね。 前作『氷菓』も面白かったのでアニメ版も見てみたいですね。
内容は良かったですが読みづらかったので☆4つです(Kindle版の評価です)
いつもどうりかなー。まぁ飽きずに読めるけどいつもどうりな感じかなぁー。 アニメ見た人は購入しても損はないと思います。
日本の高校生たちが普通の町で偶然に出会った外国からの少女. この少女がどこから来た(帰った)かというのが謎になっていて, 帰国後,その中の少年の日記を辿るかたちで物語は進んでいきます.
これだけだと『日常の謎』のような作品かと思いがちですが, 大半がこの少女と出会った少年たちのやり取りに割かれていて, ミステリというよりも青春小説の要素が強いように感じます.
そして謎である少女の行方が解き明かされていくわけですが, ここは,少女と過ごした思い出や会話からの言葉が次々とつながり, まるでパズルが完成していくような気持ちよさがあります.
しかしその結論,そしてさらに明らかになる事実には, ある程度予想できたとはいえ,なんとも言えない気持ちに.
また,クールで無愛想だった仲間の本当の気持ちと, この短い出会いをきっかけにひと回り成長した少年の姿, 哀しいのですが,まさに青春ですがすがしい気持ちです.
どうぞじっくりと,思いを巡らせて読んでみてください.
余談ですが,少女が日本の習慣に戸惑うところが, 『日常の謎』としていくつか盛り込まれているのですが, こちらについてはむずかしめというか少し期待はずれでした….
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