この奇妙さはキャラクターに起因することが大きいが、制作者の意図が根底に存在する。奇妙さを面白いと思う方にはお奨めする。
これまで国歌のCDをたくさん買いました。でも、多くの場合、現地の演奏とかけ離れたアレンジやテンポにがっかりさせられてきました。このCDは、その点、かなり元曲に忠実な演奏が多いと思います。(ウズベキスタンなど、一部中央アジアの国々の国歌については、テンポやアレンジに不満がありますが...)。もちろん演奏の質は、他のアルバムの追従を許さない完成度です。資料的価値があります。ただ、収録されている国がもっとバラエティーに富んでいれば、さらによかったのにと思います。
カザフスタンの歴史新書。人口1600万あまりと小国ながら、フランスの5倍の国土、内陸ゆえロシア、モンゴル、中国、アフガニスタン、インドなど大国に囲まれ複雑な歴史と文化を持つ。まじめな文体で波乱万丈の物語に抑揚をつけたりせず淡々と描かれるので語り口に面白味はない(とはいえ、北部はロシア経由で西洋文明を享受しつつも南部はイスラム教を始めシャーマニズムの宗教もたくさんあり、まさにシルクロード的な文化の交差点的な文明が今も見られる)。あくまでも自分が日本を脱出してその国で暮らすことを考えた時、気になるのは現在の事情。 カザフスタンと言う国は大陸国ゆえ単一民族国家ではない。いちおうカザフ民族が4割強で一番多いものの、ロシア民族も4割近い。つまり今もって日本のように国家アイデンティティが確立していない。その一方、元素周期表の全ての元素を地下資源として持つ資源大国を武器に今日経済成長著しい。その意味で、21世紀最初の新興国家、中国の次にビジネスの狙い目になることを確認できた。 しかし、内陸国ゆえ寒暖の差が激しく、日本の四季程度で体調を崩すヤワな体力では厳しいかも、と言う面もある。 興味を引くのは、旧ソ連の大気中/地下核実験場だったセミパラチンスクと現在も宇宙飛行機発射台として名高いバイコヌールを抱え、人類の科学の正と負の遺産を両方持つ国であること。時に前者はチェルノブイリに次ぐ被爆体験者の居住する区域であり、日本にとっても重要な知恵を得られるはずだ。一方で日本とのか細い貿易はウラン資源が大半で、非核保有国に対する冒涜的な経済関係にあると言える。あらためてこのことが私のカザフスタンを目指す最大の理由である。
ユーラシア大陸の大半を後に支配することになるチンギス・ハーンの若き日を描く。規律の無い小さな部族間の争いが映画の大部分を占める。そこで描かれる若き日のチンギス・ハーン、テムジンは弱い。戦に負け、奴隷にされ、売られる。そのたびに幼き日に妻と決めた女性に助けられることになる。
この女性、最初に見たときには美しいのかどうかわからなかった。しかし、芯の強さが感じられた。テムジンの父は顔が平らで目が細く、足の強い女がよい女だとテムジンに教えた。父の理想どおりに育った女がこの物語の影の主役である。
どんなに落ちぶれても、心まで落ちぶれる必要はない。心が折れたものが敗れたものなのだ。テムジンは誰にも守られず隠れるところの無い平原で一人生き延びた。戦に負け、奴隷になっても心は折れなかった。この物語からは強い二つの意志が絡まりあって巨大な堅い柱となり、そこに雷が落ちて雷の力をも味方につけてしまったかような印象を受ける。雷はモンゴル人にとって空の神である。二人の意思の強さが画面から伝わってくる。
生真面目な方が読めば、卒倒する内容が満載されています。
幾分抑えながら書いている様子が伺われますが、それでもここまで世俗的に書いてあるのは珍しいと思います。
ただ、「それがどうした」と言われれば、答えに窮するかもしれません。
ある種の”ツワモノの武勇伝”なのかもしれません。
国内では決して許されることはない行為を、海外で、あたかも「してやったり、若気の至りだ」と本を出版し、包み隠さず物語ることの影響をきっちりと理解しておくべきかもしれません。
”おとな”なら、笑いで流されるだけで済まされますが、”まだ、こども”ならば、著者を憧れ、同じ行為に走ることもあるかもしれません。
今までバックパッカー本は多数読んでいますが、最近では、バックパッカーが自身の夢のロマンを追っている勇敢な姿を伝えるというよりも、ジャンルが少し変わってきて、オタク系で、ネタ探しであったり、ネタをもとに笑いを取るものに変わってきています。
本書はサラサラと読みやすく、ざっくばらんに話題を提供してくれるネタ本として、「へえー、こんなこともあるんだ」と感心するように読むだけであれば、ちょっとした息抜きになっていいと思います。
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