このキネティックノベルは、ファーストエモーションの後編にあたるので、この評価は
両者を一体として書く。
キネティックノベルとしてはポリ赤みたいにオープニングに凝ってないし、大きい止め絵も
もうちょっと欲しいなあという感じであるし、映像的にインパクトが欲しい場面でも、止め
絵を使っていないところもあって、戦争という重いテーマを扱うには、ちょっと演出に不自由
している感じだ。
でも、話はライトノベルのポリ白同様しっかりしていて、戦争による人間疎外を書けている
し、人と精霊の関係についても、ポリ赤とはまた違った切り口で、精霊契約のはらむ面白さ
を示せていて、プレイ後に満足感があった。
好きなキャラを一人挙げるとするならば、やはりマーヴェラスかな。人間同士の争いから
なんとか距離をとろうとするエターナリアと、深入りしてしまうリシュリーの対比も、
興味深く、そして、哀しい。
一方で、初回特典の中身は、もっと考えて欲しかった。特にインタヴュアー。
取りあえず買うべきです。
取りあえずでなくてもかなりお勧めです。
にわかファンにももちろん、美少女がすきな方は買うべきです。
これを機に、カントク先生のことを良く知ってもらいたいと思います。
私が買った画集の中で最高の画集でした。
このアルバムの巧みさは、まずもってその構成にある。まずは、寺院の門前で喧しかったであろう「教会の入り口で演じられている楽師や物乞いの芸」の曲たちが配置され、次に「教会への入堂」のための曲たちが、そして最後に「ノートル・ダム・ミサ」が配置されている。これにより、聴者は教会の内外に流れていたサウンドを追体験し、ひいてはいわば中世ヨーロッパの街角の喧騒(的なもの)を感得することが可能となっている。
猥雑さと崇高さと、俗と聖と、中世ヨーロッパ文化の諸相を「感じる」ための正に必聴の一枚ではなかろうか。
エイフォニック・ソングバードなど、作者自身によるアナザーストーリーが 頻繁に刊行されるのでどれが本編なのか見失ってしまいそうになりますが、 安定感のある面白さです。
過去作のキャラがいろいろと登場して固定ファンを楽しませてくれますが、 新規の読者さんは「?」が浮かぶところもあるかもしれません。
正直どのように物語を着陸させるのか不明ですが、本作については このまま最後まで走り切ってもらいたいと思います。
赤、黒、青、金…とさまざまな色でシェアワールドを行っている「ポリフォニカ」シリーズ。
その中で、自分が最も愛した白の物語がとうとう完結を迎えた。
物語の結末(精霊島墜落、スノウの精霊化、マナガの変貌)は、
未来編であるクリムゾンやブラック、原作のキネティックノベルなどで断片的に語られていたので、
そこに至るまでをどのように描いて、どうやって着地させるかが見どころだったのだが、
若干物足りなかった、というのが読了後の正直な感想だ。
前巻から展開がいやに駆け足気味になり、グラナード公爵やベルンシュタイン公爵の登場は唐突だし、
プリムローズの母の設定や、プリムローズの幼少期のエピソード、それに対するデイジーの指摘も、
全く伏線がなかったので、いささかご都合主義というか、後付設定くさい印象が拭えない。
また、アナベルやハーミット、ランディなど、折り返し地点から急に登場人物が増えてきたが、
その割には大した活躍もなく、突然出てきてそのままフェードアウトしていったという感じ。
キャラが増えすぎたせいで、ポリ白の肝であるはずのブランカとの交流が少なくなり、
散々引っ張ったエターナリア、アンジェロ・アンジェリカの死も簡単に片付けられてしまい、
あれだけ伏線張っていたプリムローズとの最終バトルも、消化不良に終わった感が否めない。
個人的には「メモリーズ・ホワイト」あたりまでが、ポリ白の最盛期だと思うが、
それでも5年近く愛読し続けた物語が無事着地してくれたので、完結を記念して星一つ追加。
あと、マナガ(ラグ)の末路については、故大迫先生に配慮した高殿先生の決断に敬意を表したい。
高殿先生、長い間素敵な物語をありがとう。
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