かなり面白かったです!
育児と仕事を何とか両立してきた、ワーキングマザーの陽子がこの物語の主人公。
息子の小学校入学で少しはラクになるかと思いきや、PTA・学童父母会・地域子供会などに悲鳴を上げる、
想像以上に大変な日々が幕を開けた……。
入学早々、初の保護者会はPTA役員決めの修羅場に。空気を読めない陽子は、早速敵を作ってしまう。
仕事と子育ての両立に不可欠な、義母のサポート。
“孫のためなら”の影に押しやられた本音は不満だらけ!?
夫は結局、家事も育児も“他人事”。保護者会も母親の姿ばかり。
働く母親にできて働く父親にできないことなんて、ないはずなのに…
その他、わが子や先生、さらにはPTA会長にまで戦いを挑む陽子
等々の内容で
第1章 女は女の敵である 第2章 義母義家族は敵である 第3章 男もたいがい、敵である
第4章 当然夫も敵である 第5章 我が子だろうが敵になる 第6章 先生が敵である
第7章 会長様は敵である、の7つの章から構成されています。
どの章もきっちりと良く出来ています。
小学生くらいのお子さんをお持ちの方が読まれたら思わず頷いてしまう場面が多々あると思います。
私自身も何度も子供が小・中学校の頃を思い出しては、(そうそう!)と思ってしまいました。
全ての文章に無駄がなく、かつ説得力もあり著者の頭の良さが文面から滲み出ていて面白い、
そして第5章では驚き、感動し、エピローグに至るまで飽きる事無く一気に読めました。
陽子を始め登場人物の設定が又素晴らしく、絶えず脳内映像で動いていました。
子供を持つ方が読んでも良し、子供を持たない方が読まれても面白い内容になっていますが、
絶対的に読んで頂きたいのは小学生くらいのお子さんを持たれる父親でしょうか。
完成度が高く今年読んだ本の中では1番の満足です。
元ヤンキーで今はホストの大和の元へ
息子と名乗る小学生がやってきた。
その息子とのひと夏の親子の物語。
小学生の進が妙に味がある。
小学生のくせに、
家事全般に口うるさい。
ごみは分別して出せ、だの
食費は切り詰めなきゃ、だの、
妙に料理はうまいし、
洗濯掃除だって、並みの主夫では太刀打ちできないような完璧さ。
だからふとした瞬間に見せる
小学生らしさ、
父を慕う子供の姿を見ると
何故かきゅんとしちゃいますね〜
これが父性でしょうか?
店の客を殴ったために店をクビになってしまったヤマト。
しかし、そのオーナーが働き口を斡旋してくれる。
それが、運送屋。
車ではなく、リヤカーで住宅街をひた走る。
時折、元ヤンキーの血も騒ぐけれど、
リヤカーを引く姿は好印象。
そしていきなり現れた息子との生活に
戸惑いながらも、やはり父性を取り戻していくヤマト。
途中、ステレオタイプ的な父と息子のやり取りなんかも出てきて
その辺がもったいなかったけれど
全体的に面白く読めました。
何年も前に前作ワーキングホリデーを読みました。 読むのがもったいないと少しずつ少しずつ読みました。 それは、飛ばし読みをする私にとって稀なことなので、いつまでも記憶に残っていました。 それを踏まえての感想なので、実際この本だけの感想ではありません。 基本的にこのお話に悪い人はほぼでてきません。 みんないい人です。 リアリティがあるかと聞かれれば、ないかもしれません。 おとぎ話のように感じるかもしれません。 文章も元ヤンキーの主人公目線の一人称で語られているので、軽いと思います。 だけど、それが苦じゃない人はぜひ読んでみてほしい。 ほっこり幸せな気分になれるから。 大好きな一冊です。 続編がでるのを期待しています。
坂木司の本を『切れない糸』から読みまして、この本で2作品目です。 両方とも坂木司の作品の根底である人情味があるので あたたかい気持ちになる作家ですよね。 この本はシリーズの第2作になりますが、途中からでも楽しめました 『切れない糸』では距離を保つ友情のホームズとワトソンが このシリーズではホームズとワトソンである鳥井と坂木が、密着度が高い絶対的関係なんですね でも短編集だからこそその2人の成長と、事件が解決されていく度に2人の人間関係の輪も広がるのがじわじわ分かって面白いです。 個人的には「銀河鉄道を待ちながら」が好きです 自分が気に入ってるのに周囲で共感する人がいないとき 唯一同じ価値観を持つ人を見つけた気持ち 共感者を見つけた嬉しさがこちらにも伝わってくるし その相手とほんの小さな心のわだかまりで一線を引いてしまう心の動き こういう気持ち坂木さんの文章で読むとしんみりして気に入ってます
わたしは有川浩”クジラの彼”と桜庭一樹”辻斬りのように”目当てで読みました。
有川さんのはベッタベタな恋愛話で、おお、こういう話を書く人なのねと思ってこの話を収録している本『クジラの彼』を手にとりました。他の話もベタだけど好き。
桜庭さんのはこの章だけよりはこの話の入った『少女七竃と七人の可愛そうな大人』で全体を読んだ方が話がいきている気がします。”辻斬りのように”がお気に召さなかった方も騙されたと思ってぜひ『少女〜』を手に取ってみてください。美少女として生まれてしまった優奈の娘の話です。わたしは1回図書館で借りたあとどうしても手元に置いておきたくなって買ってしまいました。好きな本です。
森見さんの”夜は短し歩けよ乙女”はこれだけ読んだせいで話題になった本なのに敬遠してました。でも最近になって読んでみると、面白かったと素直に感じました。この話もこの章だけだと駄目ですね。
気になった作家以外のも、ぜひそれぞれの本を手に取ってみてください。
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