遅ればせながら観ました。良かったです〜! 「すずらん」に、ここまでこだわってもらえるとは 原作ファンにも嬉しい素敵なラストだったのではないでしょうか。
しかし。それまでのエピソードについては、わたしにはやっぱり原作の方が良かったかな・・。 個人的には原作について「もう少しドラマチックでも・・」と思った事もあります。 単純な読者です。単純です。
アニメでは物語が2部でかなり改変されているとのことでしたので 「どうしよう。ハーレクインばりになっているかもしれん・・!」と怖さ半分期待半分で観ました。 が、個人的に期待した方向での改変ではありませんでした。 勝手な視聴者です。勝手です。・・・でも、書かせていただきます。
書いている方もいらっしゃいますが、 何より残念なのは「ウィリアムがハワースを訪ねる」話がなかった事。 衆目があるにもかかわらず、エマがウィリアムへの感情をあらわにする 唯一無二のシーンだったのですが、これがないとは残念すぎた。。。
また、「何度も通うウィリアムとそれを拒絶するエマ」というエピソードは 自分としては、正直あまり見たくはなかったです。 上記は、お好きな方もいると思いますし、周囲がエマに助言したり理解を示すシーンもあり、 これはこれで良いお話でした。
でも、やっぱり個人的には 「ハワースだろうとアメリカだろうと どこまでも追いかけてゆくウィリアム」の方が良かったのではないかと。 「待つ」というのは健気ではありますが、少々行動力に欠ける気がして。。。 追いかける気概と情熱がウィリアムには本質としてあると思うのです。
またエマの方も普段は控えめで理知的な彼女が、 「ウィリアムのために拒絶しなければならないのに、それが、どうしてもできない」 というところに、彼女の一途な情熱やそれゆえの悲しみ・混乱を感じるのですが、 アニメではそこをサクッと拒絶出来てしまう。相手を思いやるという健気さはあるものの、 「押さえつけても思いがあふれてしまう」ほどではないのかな・・?というか。 ウィリアム同様、引き出される心が強く描かれず、情感が原作ほど感じられなくて。
あまつさえ周囲の迷惑を顧みず、自ら進んで家出というのはエマっぽくない気が。 これは個人的に一番好きじゃなかったところです。
エレノアは「初々しくも浮ついた感」がなく、「すべてを知って受け入れます」という たいそう健気で出来た女の子になっており、ゆえに何倍も可哀想になっています。 さらに、キャンベル子爵は諸々の原作エピソードが割愛されており、 上流としての傍若無人な「成り上がりを足蹴」的描写がいまひとつ足りなかったように思います。
で、そうなると、アニメだけ観た方には、エレノアの不幸に対しては同情するも 「こんなに好き合っているならしょうがないよね。」という エマとウィリアムに対する人情的免罪符がイマイチ出て来ないのではないかと・・・。杞憂でしょうか。
「まずい。これではアンチ・ウィリアム派が倍増してしまう・・・!」と ウィリアム好きなわたしには、正直、かなり陰鬱な展開だったのでした(笑) 彼の「子爵やリチャードとの口論」や「エマを追ってどこまでも」なシーンはなく、 「妹や弟を気遣う」シーン等も原作より非常に少なめであったため、なんだかオトコマエ感がそがれてしまって。 彼の対視聴者としての扱いが少々気の毒だった次第です。
個人的には「エマの家出」をはさむよりも「アメリカへ行く」編をもっとドラマチックに、 「ジョーンズ家の危機」をはさむのなら「淑女を目指すエマの成長」とかも描いてくれると嬉しかったですね。 勝手です。勝手な視聴者です。。。
「2人の恋」部分に原作ほど憧憬を持てなかったのが残念です。 出来れば、1部のように原作をさらに掘り下げる形で2部を再アニメ化してほしいとも。。。 そう思えるのも、これがとても良質なアニメだったからだと思います。 スタッフの皆さん、アニメを支持するみなさん、辛口でごめんなさい。 単体として考えればアニメも素敵なのです。だからこそ、さらに欲が出てしまうのでしょう。
観ていない方はぜひ見てみて下さい。原作も。 美しい素敵な大人アニメです。
ギャルゲーの主人公化していくウィリアムにジョーンズ父なみにイライラな第2期。
新しいキャラも出てきてなかなか楽しませてくれそうだけど、問題はやっぱりウィリアムのへたれ具合がどこまでいくかにかかってるね。ぶっちゃけ途中まで見てからこのレヴューを書いてるんだけど、どうやらちゃんと落ち着くところに落ち着いてくれそうな予感。スタッフもこれでラストみたいなことを言ってたけど、でも最後で悪いほうにどんでん返し、どっちつかずでこれが一番いいラストなんだ!って強弁されかねないから、注意、注意。もう第1期的なオチは許されない。第2期まで創っておいて白黒つけないのはありえないよ。ふたつの国民の間での国際結婚か、それとも相手は身近なところで決めるのか。どちらに落ち着けたとしても決してありえない展開にはならないと思う。どちらでも「エマ」らしいラストはできうる。ボクは原作はぜんぜん読んでないんだけど、森氏でも小林氏でもいいからしっかり方向づけをしてうまくやってほしいと思うねぇ。
まぁ、ストーリーの展開はどっちに転んでもそれなりに抵抗があるかもしれないけど、エマがオールワークのメイドからハウスメイドになったせいで、より一層ヴィクトリアンな雰囲気がよくわかるようになったような気がする。特に上流階級の生活や慣習、服装や流行。そしてその下で働く使用人たちの生活や行動みたいな部分はしっかりとした考証がなされてるんで、そこのところを楽しむのは物語と関係なくありでしょ。第1期のほうでも思ったんだけど、使う道具に注目してみたり、ちょっとした会話の端々に見られる英国ないいまわしに聞き耳を立ててみないと、せっかくこの作品を見たかいがないってもんだよ。ボク的にはひとつの歴史物語としてこの作品を全体として楽しむのがいいんじゃないかと思うんだよね。
英国です。それ以外言いようがないDVDです。
100年前の貴族の暮らしを90日間、カメラが回っていないときも24時間やり通す。無茶苦茶な内容です。
応募してきた一般人が貴族のご主人様一家、執事、メイド頭、コック、下男等々に別れて生活します。
しつこいようですが100年前です。電気はありません。掃除はモップや雑巾です。
洗濯も手で洗います。料理も石炭などを燃やして作ります。
ご主人一家は慣れないお作法に四苦八苦です。
しかし、階下では召使い達がなれない仕事と自由時間がほとんどない生活、
そして、現代人には屈辱的とも思える扱いに、次第にキレ始めます。
偏屈なフランス人のコックに爆発寸前のメイド達。(メイドと言っても秋葉原ではありません)
銀食器を磨き、ものを運び、そしてクリスタルグラスを磨き、ご主人様にくっついていく、そんな繰り返しに「フットマン」たちもキレ始めます。
もちろん脱落者もでます。
その中で一人冷静な人がいます。初老でやせた「執事」。この人がすごい。英国人の「執事」はこうあるべきという姿を見せ付けます。
一体21世紀の人間かと思うほど、落ち着き、召使いたちを規律正しく動かし、お屋敷の中をまるで時計仕掛けのようにさばいていく姿は見ものです。
祖父が実際に執事だったそうですが、ものすごい姿勢です。この「エドガー執事」さんをみるだけでも、買う価値はあります。
英国人だなぁーというのが、見終わった私の感想です。こんなものは他の国では作れないでしょうし、つくったとしても話題にもならないでしょう。
さすが英国では、相当な話題になったようです。まあ、それにしても時代錯誤というか、頑固というか・・・「ジョン・ブル」とはよく言ったものです。
なお、これに出てくるお屋敷は正式には「カントリーハウス」です。「マナーハウス」と言うともっと小規模な木造の家になります。
日本で「カントリーハウス」というと、「ログハウス」を連想するので変えたのでしょうけれど。
様々な曲調の曲が収録されています。これは、アニメのサントラなどではなく純粋に多くの人に聞いていただきたいCDです。特にSilhouette of a Breeze のバージョン違い三曲は、楽器が変われば、これほど雰囲気が変わるのかと感動すら覚えます。
ストーリー的にはちょうどケリー夫人が亡くなって、さぁこれからという転換点です。原作とちょっとストーリー的に「重要な部分」に変化がありますので、(まぁ、原作通りにアニメ作ったら何クールあっても足りませんが)ただ、非常に良い傾向に進んでいます。 それと、十二国記の音楽も担当された梁邦彦さんのインタビューが映像特典として入っています。 私、名前からしてバリバリの外国の人だと思っていたので(厳密には確かに外国の人らしいですが)普通に日本語で会話してたのには驚きました。 さらには、実は麻酔科医だったなんて話も・・・
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