腰を痛め趣味の日本舞踊が踊れなくなり気落ちしていた時、一人息子が薦めてくれたのは詩を書くこと。九十歳を過ぎてから書き始め新聞に投稿。掲載されたものらを集め百歳まじかで処女詩集の出版。掛かりつけ医や看護師・ヘルパーさんらの手を借りて二十年の一人暮らしの中で感じたこと想うことを柔らかい言葉で綴ってある。お年よりは歩く図書館と言われる如くトヨさんの小さな身体にも百歳間じかまで培ってきた知恵や想いが一杯詰まっている。亡くなった母親や夫との遠い日の思い出・奉公してた頃の辛い思い、半年あまりの最初の結婚生活の破綻後両親との静かな暮らし・見初められ再婚を決心し一人息子の健一さんをもうけた事等が百歳まじかならでわの深みのある言葉でググッと読み手の胸に迫り心を掴まれます。特に息子さんを題材にした詩は超逸品です。『風呂場にて』を読んだ時、最後の四行で怒涛のごとく感情が込み上げ出先の待合の椅子に座りながら泣き出してしまいました。多くのお年寄りが日々の暮らしの中で言葉少なになるのは決して物思わざるからではなくお年寄りのペースで聞く聞き手の心得不足だと思います。もっともっとお年寄りに話して欲しい。話が聞きたい。そう思わせてくれました。次作が楽しみです。
始めから読むのでは無く、本を両手に挟み 開いたページを読むと、今日の一言のようです。息子さんに叱られた詩には涙が溢れました。
詩は☆5つです ☆3つは朗読に関してです。
ニュースで存在をはじめて知り 素敵な詩だったのでCDを購入してみようと思いました
ただトヨさんご本人の朗読ではなく バラエティーで良く聞く声の 杉本るみさん朗読だったのがとてもとても残念です
私はトヨさんの朗読をテレビで見て やさしく柔らかなお声と詩の内容が心に沁みました。
(おばあちゃんに語りかけて貰ってる様な、 ご年配の方にとても良いお話を伺っているような感覚に近い)
あえてプロを使うメリットが無いと思います。
ご本人の声の朗読をぜひぜひ発売して下さい!
心よりご冥福をお祈りします
病院で過ごしている102歳になった実家の母に読んであげました。すると俳句をやっていたせいか、「私も書いてみようかな」といいました。認知症で私が誰であるかも分からないときが多い母ですが、この言葉が出てきたことにびっくりしました。心が折れそうになっている介護している人にもお薦めの本です。
まずは、たいへん遅くなりましたが、トヨさん、百歳おめでとうございます。 これからもどうかお元気で、そしてその詩を通して、この世の中がどんな風に見えているか、教えて下さいね。
さて、このDVDは、2010年の大みそかの朝、NHK総合で放映された『ヒューマンドキュメンタリー 〜99歳の詩人 心を救う言葉』を、ほぼそのままソフト化したものです(本編約43分、ナレーションは中谷美紀さん。著作権の関係で、音楽などが一部、変わっているようです)。 オレはこの番組を、本当にたまたま、ちょっとだけ見ることができて、おしまいの部分でトヨさん自身により新しく作られ、朗読された詩「がまぐち」に思いがけず号泣してしまい、なんでこの番組を始めから見ていなかったのかと、悔やんだものでした。 東北地方では―地上波での―再放送もなく、本当にそれっきりになってしまっていたこの番組がDVDになった、ということで、迷うことなくポチッとしたことでした。
この番組では、トヨさん自身による自作の詩の朗読もふんだんにあり、トヨさんの日々の暮らしを拝見することもできますが、それだけではなく、トヨさんの詩に励まされ、生きてゆく力を受け取った、日本各地に住む人々の心もようも追って行きます。 その人々の姿も描くことにより、見る者はトヨさんを身近に感じ、トヨさんの“秘密”に触れたような気持ちにもなり、さらにはトヨさんの世界が、見る者の中でより輝きを増して行く……、そんな印象を受けました。 トヨさんのファンで未見の方には、ぜひ一度ごらんいただきたい作品となっています。
映像特典として、トヨさん自身による「被災地のあなたに」の朗読映像(2011年5月に撮影)、そして長男・健一さんへのインタビュー(あわせて約7分)を収録。
なお、2011年10月10日には、やはり同じNHK総合で『“不幸の津波に負けないで”〜100歳の詩人 柴田トヨ〜』という番組が放映されました(ナレーションはなんと、若尾文子さんです!)。
2013.1.20追記: トヨさんが101歳で亡くなられたことを知り、大変驚いています。 トヨさんのお書きになった詩は、オレの心の中に、とても大きなものを残してくれました。 いつかはオレも、トヨさんのいるところへ行くことでしょう(いや。もしかすると、そことは違う場所へ連れて行かれるのかもしれませんが)。 せめてそれまでは、たとえ何度くじけても、あきらめないで生きて行きたいと思います。 トヨさん。素晴らしい詩の数々、ありがとうございました。
|