これは素晴らしい。彼女にこんな才能があったことはまさに晴天の霹靂です。 例えば「わたしのお父さん」、きわめてポピュラーな歌で、クラシックのソプラノ歌手がごく一般的にクラシックを紹介する時によく歌われますが、いわゆるソプラノ歌手は、高音部に強調したビブラートをつけるのですごく耳障りなんですが、彼女はすっと歌っています。 これだけでも「ほっ」として和むのです。私は彼女が歌うポピュラーを沢山知っていますが、実はこれらにはあまり興味がありませんでした。 ところがユーチューブで彼女の歌を聴いて「クラシック部門にいいものがあるに違いない」と思って探した結果、見つけました。 このCDは本当に心和む素晴らしいものです。惜しいことに彼女は早逝されてもうこれ以上彼女のクラシックを聴くことが出来ないのが実に残念です。
久しぶりにこの版を見直しましたが、やはり饒舌すぎず、良い作品だと思いました。 完全版よりも、他のレビュアーの方が書かれているとおり、こちらを先に鑑賞することをおすすめします。 二つのヴァージョンは、編集によって、主題が全く違うものになっています。 完全版は饒舌過ぎて、主題が分散してしまっています。 多くを語り説明する事が、必ずしもいい事ではない、という証だと思います。 戦争で父を失ったシチリアの貧しい子供トト、島から一歩も出ずに、学歴もなく職業の選択ができなかったアルフレード。父を失った子、子供に恵まれなかった男との本当の親子のような愛情。父親代わりの愛で、トトを島から送り出すことが最良と考えたアルフレードの心情は痛切。 娯楽がなかった時代の、映画を愛する人たちの思いと情熱。トトの淡く切ない初恋。 これらが宝石箱のようにつまった作品です。 モリコーネの音楽も名曲。 若き日のトルナトーレ監督が作り出した奇跡の映画。 (厳しいようですが、星4個にしたのは、幼きトトとアルフレードの触れ合いが、昔のイタリア映画の手法だからです。)
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