デビュー以来、作詞か作曲の少なくともどちらかは自分で手がけてきた石井だが、今回はその両方を他に委ねた曲も多くあり、そのせいか今までとは少し感じの違った曲があるためにとても新鮮味がある。耳に心地よいメロディが多いのも良い。 特典DVDは、「ヒハマタノボル」のPVが当初の予定よりカットされているのが残念だ(今後の発売CDの特典化を期待する)が「Walking JOE」の初DVD化が何よりの収穫である。同曲は2006年発売のミニアルバム「DANCE NYLON」に含まれているもので石井自身が著書「詞解文書」で明かしているが、あまり評価は良くなかった曲だが石井としてはかなりのお気に入りのものである。私個人としても当時、同曲を特別良いとは思わなかったのだが、今回のPVを視聴してその考えが変わった。目から曲を頭に入れてみるとこの男臭さというかハードボイルドさが映画を観ているように感じられる。これは曲と映像の1セットとして捉えるものなのかもしれない。 今年でソロデビュー15周年の石井、3年後には米米としてのデビューから30年になる。デビューしてから20年も30年も経つのに、これほど頻繁にCDをリリースする歌手はそんなにいないのではないか。飽くなきサービス精神をこれからも大いに期待する。
米米が解散するのはなぜだろう・・と思っていました。てっぺいちゃんにもそんな人生があったなんて・・。でも人間命あっての人生です。てっぺいちゃんの素顔が垣間見ることが出来たように思います。
かつて電子書籍のみで展開されていた【詞解文書】が、ファン待望の書籍化!!
本書の本人による前書きにもありますが、「当初は書籍化は考えていなかった」そうです。
が、東日本大震災によって、その考えは大きく変わり、被災された方々の心に寄り添える音楽を、と考え、
電気の無い避難所を想い、書籍化に踏み切ったそうです。
ファンにとって嬉しい名曲の、その世界に誘うショート・ストーリーの数々は
何度読み返しても飽きる物ではありません。
これはお勧めです。
そして、曲解説・詞解説に忍ばせている裏話に、つい顔がほころんでしまいます。
追記)この【詞解文書】の売上金の一部は、東日本大震災に被災された方への寄付金となります。
震災に心を痛めた石井による、被災者(だけには限らないが)へのメッセージソングを集めたミニアルバム。全9曲というのはミニアルバムにしては多いが、フルアルバムとしてはもの足りない。私が思うに、これは石井がアルバムとして出すには何曲必要かなどとは考えずに、ただ心から湧いて出てきたものがたまたま9曲であったので、フルとしては扱えずミニとしたのではないのであろうか。無理に曲を捻り出してフルアルバムとして出さなかったところに、自然体の石井としての感情を察することが出来る。 コンセプトがコンセプトなだけに全体的にしっとりとした曲調に仕上がっている。そしてラストの「ヒハマタノボル」が軽快な曲で、震災のあるなしに関わらず元気が湧き上がってくる、非常にいい歌だ。 特典のDVDは2年前のライブで、夏にぴったりのテーマで清涼感に溢れている。特に良かったのが、石井のMCだ。アンコール後のトークは大いに笑える。
ミュージシャンの石井竜也と、フォトジャーナリストの広河隆一の対談本である。 誰一人として望んでいないはずの戦争という人殺しの行為がなぜ続けられるのか。 復興支援というけれど、自分たちが壊したものの後片付けなんだから、それは支援なんかじゃなくて戦後補償だと広河は言う。まったくその通りである。 今、巷のニュースでは、当時米英軍が爆撃を仕掛けた大義名分としていた「イラクは45分で生物化学兵器が使用できる軍備がある」という情報が、実はガセだったことが露見して、どう申し開きをしていくのかこれから注目されていくようであるが、そうだったのかどうかとは別の次元で、人が人の命を絶つということが認められるシチュエーションなんてどこにあるんだろうか。そんなものが許容されるはずはなかろうと思えてならない。 100ページに満たない本だが、これからの子どもたちにどんな未来を用意してやればいいのか、ここからまじめに考えていきたい。
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