黒住憲五、この名前に興味を持たれた方には作品の内容をあれこれ論じる必要はないでしょう。そこに関しては「名作」この一言で充分だと思います。 ただ、今回CD化されたこの盤をお聴きになられた方はお気づきと思いますが、音質は正直、良好とは言えません。 私自身、かなり気になり、もしかしたら不良品ではないかと直接メーカーに問い合わせました。 答えとしましては、まずマスターテープの劣化ということだそうです。ただこれは、古い作品をCD化するうえで仕方のないこと言えるでしょう。 ふたつ目の理由として、一部音源のマスターが紛失しており、直接アナログ盤から音を拾ったため、ということでした。 確かに数曲の冒頭で盤に針を落とした時のノイズが確認できますし、音がヨレて聴こえる部分もかなりあります。 実は、過去に何度かCD化の依頼をいただいた時も、そのような理由から完璧な音源が提供できないということでお話をお断りしていたそうです。 まぁ、それでもこうして手軽に聴けるようになっただけで御の字。良くぞ英断していただけたものだとメーカーさんにも大拍手です。 音質の劣化もヘッドフォン、大音量で聴くと気にはなりますが、普通にステレオのスピーカーから流して聴く分には問題ないかとも思われます。
待望のアルバムのCD化。全曲が夏向けでどの曲もシングルカットできそうな出来栄え。 黒住さんが紡ぎだすメロディーと透明感あるボーカルが、松原正樹氏のアレンジとギターワークに包まれて心地良く響きます。 大ブレークしなかったのが不思議で残念。80年代の高揚感を時代を越えて伝えてくれます。 音源の劣化で、ボーナストラックの「パラダイス・アイランド」と「子午線」の音質がイマイチですが内容は5つ星です。
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