今、店子ベルクは家主ルミネより立ち退きを迫られている。 法的にはベルク側だが、ルミネからの精神的圧迫は圧倒的だ。
TVや雑誌で会長や社長が、 「毎年20%のテナント入替え」、 「20〜30代女性をターゲットにしたファッションビルにしたい」と、 公言している。
もし店子を生存競争させるなら、売上げ等の客観的尺度が必要なのに、 最も回転率が高いベルクを追い出そうとしている。 これは単に、「古い奴は見苦しいから出て行け」と言っているだけである。
初めはこんな圧力を受けるぐらいなら、 中央線沿線のどこかに移ればいいじゃないかと思ったが、 本書を読み進める内に、 ベルクは新宿駅東口改札口横のこの場所で長期熟成されたからこそ、 今のベルクになったと得心した。 もし他の場所へ移ったら、たとえスタッフ・食材全てを同じにしても それはベルクではなく、ベルク風の別のカフェになってしまう。
私も含めベルクへ行く客全てが感じていることではないだろうか。
ワイナリーで熟成中のワインを別の場所に移してはいけない、 それは熟成の打ち切りを意味する。
私たちに出来ることは、ベルクの実情を他の人に伝えること、 もちろん義務ではないが、新宿へ行った折にはベルクでコーヒー一杯は頂きたい。
東京はどこも客が多いので、チェーン店や枯れたままの個人店が多いが、 ベルクのような長期熟成中の個人店は稀有の存在だ。
昨日より今日、今日より明日、 ゆっくり熟成するワインの分け前を味あわせて貰える、 商品の味だけでなく、店全体を味あわせてくれる個人店ベルク、 さらなる熟成を新宿駅東口改札口横で続けて貰いたい。
ルルの3幕版が遂に観れた!! もう感無量です。しかし、録音はいまいちで、モノラル録音 なのではないでしょうか?ところがCD(レコード)版とは演奏 が違うようです。どちらかといえばこのビデオ版のほうが生々しい ように聴こえます。
グレングールドのゴールドベルク変奏曲の演奏が映像で見れるんですか?
なんか信じられません。
デビュー当時の演奏でしょうか?晩年の演奏のほうでしょうか?
映像は録音時のもの?
アリアからアリアまで32曲全て収まっているのでしょうか?
もしそうであれば絶対に星5つでしょうね。
ベルクはルルに続いて、このヴォツェックを観た。感想としては・・。 イタリアオペラに比べ、ドイツオペラは無骨な感じを受けるが、このヴォツェックは、それをさらに極めたようなもののような気がする。 一般的なウェリズモ・オペラなどより、さらに、深刻かつ悲惨であり、そこには、一点の笑うべきポイントも無い。昔、こういったヨーロッパ映画が多くあり、その、無機質さやその奥に潜む人間性への救われない視点があまり馴染めなかった。 見方を変え、感じるべき部分を変えれば、(少なくとも、「オペラを観る」という、構えを捨てれば)異なった面白さを得られるのかもしれない。
ヨーロッパの荒涼とした大地と田舎兵士の生活の厳しさなど、ヨーロッパ映画が好きな人間には馴染み易いものかもしれない。音楽も無調なので、現代音楽好きの方にもいいのかも。
ちなみに、ジャケットはモノクロだが、映像はカラー。映画版。 一般的に評価はそこそこ高い作品だが、初めてオペラを観る人や、無機質なタイプのヨーロッパ映画に馴染んでいない方は、ご注意を。 ある程度の覚悟をして見れば、面白くないわけではないです。
オペラの世界の三大悪女といわれるルルを、クリスティーネ・シェーファーがこの難しい難役 を演じて話題となった作品です。表現力はもとより、役どころから容姿まで要求される役です が見事にこなし、これで一躍有名になりました。 ロンドンpoをアンドリュー・ディヴィスが指揮しています。
ある時期、上演禁止となったヴェデキント原作を元に、ベルクが作曲したこのオペラでストー リーは、男を誘惑し、破滅させるルルが登りつめ、そして落ちていく様を描いたものです。
96年7月のイギリス・グラインドボーン・フェスティバルのオペラですが、名作といっていいで しょう。 価格も安くなりましたし、一度観てみてはいかがでしょうか。
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