1974年12月にURCレコードから発売されたオムニバス盤のCD化。レコードでは何回か再発されていた。今回のCD化に当たり収録されなかったのは、「かえうた」(中川五郎)、「くそくらえ節」「山谷ブルース」「チューリップのアップリケ」「ヘライデ」「友よ」(岡林信康)の6曲。「山谷ブルース」と「友よ」は『岡林信康フォークアルバム第一集 わたしを断罪せよ』で、「くそくらえ節」と「チューリップのアップリケ」はライブ版だが『狂い咲き』で聴くことができる。他は現在難しい模様。企画盤の復刻は嬉しいが、収録曲のいじりがよくある。いろいろな事情があるのだろうが、入手したときの喜びもすこし薄まってしまうのが残念だ。
独自路線を貫いたブルースマン豊田勇造の出発点、ファースト・アルバム。
URCの他の音源がCD化で復刻されたときにもなかなか復刻が実現しなかったものが、2003年に復刻されURCファンを大いに喜ばせたとともに、一部収録されなかったことに残念な思いも与えた。その後CDは品切れ状態となり、ながらく入手困難だったが、ボックスの形で再発されたことは嬉しいこと。日本のフォーク・ムーブメントのルーツのひとつである関西フォークにたどり着く手がかりだ。収録曲は前回のCDと同じで、岡林信康の全曲と中川五郎の1曲が未収録のまま。特にLP6枚全85曲中、岡林信康の歌が13曲であり、当時のフォーク・ムーブメントにおいて岡林信康の占める位置がいかに大きかったかを実感できないのは残念。あらかじめ、そのあたりを分かったうえで聴いていただけるといいかと思う。なお、未収録の岡林信康の歌は、岡林信康『わたしを断罪せよ』『見る前に跳べ』『狂い咲き』でその多くを聴くことができる。
再び品切れ状態のようで残念。五つの赤い風船の解散記念実況盤『ゲームは終わり』ともども、再発をお願いしたい。
|